7月21日(日)雲のち晴れ
最高のロケーションを誇るラックブランでの一夜でした。
早朝屋外に目をやると昨日の夕方と変わらず雲が山に貼り付いてます。
ここへ来てついに天は我を見放した!
風も収まらず、シャモニーの鏡池は今朝も不機嫌でした。
さて今日はTMB最終日。シャモニーへ降りて締めくくります。ただ下って降りて、、と疲れた身体は期待します。
朝食後ラックブランの鏡池でしばらく粘って写真を撮ります。
なかなか思うように雲が晴れてくれません。
天候は回復傾向にあることははっきり掴めるのですが、何時になったらモンブランの雲が晴れるのか読めません。
今日もこれからの行程が残されてるので適当に諦めて下山開始。
さて下山ですが計画当初の案では、ここから400mほど下った所のフレジェールが歩行の最終行程でした。
そこからゴンドラで麓の町へ下る楽勝の最終行程でした。
ところが5月になって小屋の予約ができたと同時に衝撃の事実が判明しました。
フレジェールのゴンドラが架け替え工事で動いてないのです。
フレジェールから林道を歩いて麓まで・・・というルートもあるのですが、どう考えても面白みのないコース。
仕方ないので頑張ってプランプラまでのトラバースルートを歩くことにしました。
プランプラからは直接シャモニーへゴンドラで降りることができます。
小屋からしばらく岩場の下りが続きます。
徐々に天気が回復してきてモンブランの雲も取れてきました。
眼下にシャモニーの街並みを見下ろし、行く手に大きくモンブランが聳えます。
岩場が終わり草地の斜面が広がります。
少し下に工事中のフレジェールのゴンドラ駅が見えてきました。
工事現場を横目にプランプラの山小屋で小休止。
小屋は今シーズン営業していないようです。
眺めの良いテラスを借りて一休みします。
ここから山肌を西へ巻くように山道が続きます。
正面に見えるモンブランに励まされての最後の歩き、でもこれが結構長い。
時折すれ違うのは観光客っぽい日帰りハイカー?
シャモニーが近いことを実感します。
トラバース道とは言え結構なアップダウンがあります。
少し傾斜が緩んで開けたところに出るあたりで日本人と遭遇。
神戸の方でしたが、小淵沢を良くご存知。情報交換して別れました。
(のちに我が家を訪ねていただきました。遠いところをありがとうございました)
さて最後で私のミスナビ!
プランプラへの詰めで誤って車道に入ってしまい、砂利道を結構登らせられる羽目に!
急傾斜の車道の最後のもがきでプランプラン到着。
さすが観光地、一気に人が溢れ賑やかになりました。
着きました!ここからゴンドラで下りるので実質的なTMBの終了です。
11日間のTMBを予定通りに歩くことができました。
後半妻が風邪気味で本調子ではありませんでした。
酷くはならなかったのは幸いで、歩行速度は遅くなりコースタイムをオーバー気味でしたが、それでも頑張って歩き通しました。
歩行距離110.2kmでした。
TMBの全行程の約2/3ほどを贅沢に時間をかけて歩いたことになります。
山小屋で会うTMBヤー達は6日くらいで同じコースを歩いてるので恐れ入ります。
でもみんな若い人。日本の若者のTMBブームは過去になって全く若い日本人には会いませんでした。
計画した通りに歩き通せたのは体力面よりもお天気に恵まれたからでした。
行程はほぼ2000mから2500mほどの高度ですが、この季節でも悪天に遭遇すると降雪も覚悟しなければなりません。
事実この間あったスペイン青年は途中バリエーションルートで高度を上げた時に雪に降られたと言ってました。
山小屋が完全予約制!というプレッシャーも大きいです。
綿密な計画があってこその成功だったと思ってます。
ゴンドラでシャモニーへ降りました。
暑いです!40度近くあるの?と思いたくなる猛烈な熱気。
アイスを食べて少し体を冷やしました。
シャモニーの南にある長距離バスのステーションでクールマイヨール 行きのバスに乗車。
トンネルを抜けてすぐのSkyway駅で下車。
ホテルまでの近くても遠い上り坂。疲れてるけど達成感に包まれた凱旋ウオークになりました。
行きつけのピザレストランに寄ってディナーの予約。
もう顔馴染みになっていて、スタッフから声をかけてくれます。
ホテルで一息つきます。
溜まった洗濯物をフロントにお願いします。
明日朝までに洗って乾燥して畳んで部屋まで持ってきてくれます。
今夜は成功を祝って豪華ディナーを頂きました。
ちょっと張り込んでお肉三昧。
疲れた体にたっぷり栄養を注入しました。
明日はコーニュエと言う山の町へ移動します。
ゆっくり山を眺めながらのんびり休養するつもりです。
イタリアの旅も残り約一週間。寂しいような、日本が恋しいような。
月日の経つのは早いものです!?