7月7日(木)レシェーザの広大なアルプをブログレス小屋へ、ガイスラー山群の北側を歩く。
さてますます天気は安定しました。
この日は一日中快晴が期待できます。
今日はガイスラーの北のアルムを探ってみる事になりました。
バス停前の気になるパン屋に入ってみる事にしました。
お店のショーケースにはいろんな種類のパンが並んでいます。
好みのパンでパニーノを作ってくれるようです。
パンは何にするかまず聞かれました。
手頃な大きさのカイザーゼンメル(かな)を指差し、チーズとハムを挟んで貰う事にしました。
ハムもたくさん種類があります。
おまかせでお願いすると、スライサーにボンレスハムみたいな太いのをセット、スッ、スッと切り出します。
結構な枚数です。
チーズも同様にスライスして、パンに挟んで出来上がり。
バターもソースも塗らずに、シンプルなパニーノが出来上がりました。
これで200円弱。安いもんです。
ランチの仕込みが済んだところでバスでオルティゼィに。
エスカレーターでセチューダ行きのゴンドラ駅まで出ます。
今日はここからもう少し北西に、ケーブルカーの駅まで上がります。
高度差約1000mを一直線にケーブルカーが上がります。
ロープウエィやゴンドラばかりの移動手段の中でここだけ鉄路が敷かれてました。
地に着いた箱で高度を上げて行くのも、安定感があって良いものです。
ぐんぐん高度が上り、シウジ高原方面の眺めも開けます。
今日もサッソルンゴ、サッソピアットの兄弟山はすっきりと天を指していました。
山頂駅から35番を東に取り広大な放牧地に向かいます。
すぐに現れるサルトナー小屋は絶景に建ってました。
南にシウジ方面の広大な高原が広がり、サッソ兄弟がでーんと鎮座。
こんな小屋で泊まり、モルゲンロート、アーベントグリューエンを心ゆくまで見ていたいものです。
35番はメインルート。放牧の作業道でもあるらしく、車両の通行も意識した道作りが施されてます。
勾配のきついところには轍の幅で石畳のような加工が。
同じような道は広大な放牧地アルペデシウジでも見かけました。
サッソルンゴがますます存在感を高めてきました。
昨日はあそこを歩いたと思うと、親近感も湧いてきます。
タンネの森を抜けると、明るい草地が天まで届くように広がりました。
開放感あふれたこの天上の牧場でのびのびと牛たちが飼われてます。
これはきっと美味しいミルクを出すに違いありません。
ガイスラー北面が荒々しい姿を見せています。
紺碧の空に鋭い峰を突き刺してます。
一本北のフネス谷へ下る10番ルートの分岐。
フネス谷へはいつか訪れてみたいと思いつつ、今回は実現しませんでした。
牛さんたちがいました。
結構大群。
と、一頭の牛が妻めがけて突進!
大変・・・
でもご安心。
牛とのコミュニケーションにぬかりありません。
撫で撫でされてご満悦の牛さんでした。
名残惜しげに見送る牛さんを残して、先を急ぎます。
まだ行程は半分も行きません。
遠くに小屋が見えてきました。
第一目標のブログレス小屋です。
こう見えてからが長いのです。こちらの山は。
小屋まで結構下ります。
広い道ですがそこそこの勾配、膝を痛めないように慎重に足を運びます。
ガイスラーの北壁が頭上に覆いかぶさるように迫ってきた頃、小屋に到着。
最近建て替えられたのか、真新しいログがツヤツヤです。
ここで小休止。
一息入れてトイレを借ります。
今回の山で感心したことが幾つか。
一つはゴミが無い!
日本の山もゴミについてはマナーが向上してきていると思いますが、それでも結構ゴミが落ちてます。
入笠山のボランティアをしてますが、年に数回のゴミ拾いでは2tトラックの荷台いっぱいのゴミを回収することもあります。
もう一つはトイレ事情。
写真はこの山小屋のトイレですが実にキレイ。
もちろん水洗です。
他の山小屋、ゴンドラの乗り場など、どれも広くて清潔なトイレばかりでした。
ブログレス小屋からさらに奥のアルムを目指します。
道は林の中を下ります。
目指す草地はこことほぼ同じような標高ですから、もったいない。
快晴で雲一つなく、気温も上がってきたので、林の中は涼しくて嬉しいのですが、それにしてもどんどん高度を下げて行きます。
木の間越しにガイスラーを望みながらの林の道は、ガラガラした岩の堆積した谷底に降り立ちました。
この辺りで幾つかの出会い。
まずは久々の日本人パーティー。
コルティナの定番コースにはたくさん日本の人がいました。
この地域に移ってからはあまり出会わなくて不思議でした。
すれ違ったのは小屋泊まりを組み入れたツアーの人たちでした。
この先の小屋へ車で上り、我々が来たルートを通ってガルデナ谷へ降り、サンタクリスティーナから上がったモンテパナの山岳ホテルに向かうそうです。
そしてまたまたすれ違った二人組。
すれ違いざまに「中国人か?」と聞かれました。
「いや、日本人」
と答えると、少し警戒されると思いきや、にこやかに何やら喋りかけてきたのです。
香港から来たご夫婦でした。山好きなようです。
コルティナは人も多いし高い。
コルティナ方面に行くならドッビアーコに泊まるのが安くて良い。
などなどホテルの情報も教えてくれたり、何やら妙に気に入られたようでしばらく立ち話。
なかなかな変化に富んだトレッキングルートになりました。
谷底から急な登りをひと頑張り。その先には開けた放牧地が待ち受けていました。
ここはガイスラーアルムの南端。2000mの小高い山の上に広がる天上の牧場でした。
この草原に小屋が2件。
小屋はランチの客でいっぱいでした。
草原の中に大きな木を発見。
その木陰でランチを摂ることにしました。
ガイスラーの北面を見上げながら贅沢なランチです。
もちろん今朝仕入れたパニーノが主役です。
チーズとハム、そしてパンだけ。
素朴ですがそれぞれがいい味を出して、うーん、ブゥオーノ。
一休みしてブログレス小屋に戻ります。
来る時はこんなに下ったら帰りは辛い・・・と思っていたのですが、実際は戻る方が楽だったようです。
途中再び出会いが。
なんとなく日本の人らしい?ので挨拶すると・・・
向こうから「ジープで一緒だった人ですよね?」と思わぬ問いかけが。
そうですクローダダラーゴで乗り合いになった5人組でした。
相手の方が妻を覚えていたのです。
まさかこんなところで、と奇遇に感激。
皆さんはこれからランチを食べた小屋まで行き、チャーターした車で町まで降りるとのことでした。
いろんな出会いのあった小道。ガイスラーが樹上にのしかかります。
最後の急坂を登りきり、少しだけ懐かしいブログレス小屋に戻ってきました。
最初にすれ違った日本人のパーティーが休憩中でした。
ランチを食べて戻って来てここで追いついたことになります。
捨てたものじゃない、と気合を入れなおしました。
小屋から直線的で結構な勾配をゆっくり歩き始めました。
だんだん太陽が回ってきて、岩の峰々のディテールが鮮明になってきました。
急坂を登りきり、橋を渡った所で5番ルートに入りました。
草原を南西に向かって下って行きます。
セチューダへの中間駅を目指します。
草原から徐々に樹間の道に変わります。
ところどころ開けた草地が広がって、南の山々が開けます。
大きな沢を横切ったりしながら、結構歩かされます。
セチューダへ架かるケーブルが見えてきますが、その終点の姿はなかなか現れません。
大きな川が現れて、8番の車道に出ると、もう一息で中間駅でした。
中間駅から選んだのはセチューダへの登りロープウェイ。
まだ時間は4時前。
なんとか夕方のセチューダに間に合います。
セチューダまで上がれば、コルライザー経由でそのままホテルのあるサンタクリスティーナまで下るだけです。
4日はガスがかかりすっきりとした山が見られませんでした。
今日は午後になってもほぼ快晴状態。
セチューダの緑の斜面とガイスラーの尖りのコントラストは、やはり好天だからこそ際立ってきます。
時間も遅くなってきたので寄り道はせず、最短ルートでコルライザーに向かいます。
下の主役はやっぱりサッソルンゴ。
終始それを眺めながら急な小道を下りて行きました。
今日でガルディナ谷の行動は終了です。
4日間とも天気に恵まれ、充実した山歩きが出来ました。
お世話になった山々を望みながら、感謝の気持ちを込めて、一歩一歩ガルディナの山を踏みしめていました。
すみません。今日もメニューだけ。
でも毎日美味しいものばかり食べていたわけではありません。
たまには外れも。
これはこの地方の名物料理「クネーデル」。
地方により色々なレシピがあるようですが、この地方のはパン団子です。
クルトンみたいなパンとスペック(この地方の生ハム)、それとジャガイモやらはいるのでしょうか。
食べられないと言うのではないのですが、しつこいのです。
団子にはラードが入ってるようでちょっと脂っこいです。
ソースもバターたっぷりで濃厚。
濃厚な味も大丈夫と自負していた我々も、この日は少々箸が(フォーク?)が止まりがちでした。
ちなみにこれは数日前に出た前菜。
トーストしたライ麦パンにのっているのは豚の脂身。
これに蜂蜜がかけてあります。
まあ、これも微妙でした。
寒い地方で生活する人たちにとってこのような油脂類は欠かせないのでしょうね。
農耕民族の我々とはDNAが違うようです。
でもホテルの名誉のために付け加えます。
たまたま日本ではお目にかかれないメニューが数点あっただけで、基本は素晴らしい料理が出てきました。
イタリア料理だけではなく、バラエティに富んだメニューで、毎食が本当に楽しみでした。
さあ明日は移動日です。
毎日、楽しみに拝見しています。美しい写真がうれしいです。
連日よい天気で本当にラッキーでしたね。
ガイスラーアルムの小屋へは下から歩いたことがありますが、ブログレスヒュッテからさらにここまで行って、帰りはセチューダからコルライザーへ歩く・・・健脚に脱帽です。
この先を期待して待っています。
ついついたくさん歩いてしまい、3万歩超の日々でした。
でもこの時はなんとかハイってやつで、アドレナリン出まくり。
帰国してからお釣りがどっと出て、1週間後もまだ体調が戻りません。
時差ぼけも残ってるようです・・・。