7月8日(金)ガルデナ谷からティーレス谷に移動。レノン高原に寄り道、そして高級リゾートホテルに泊まる。
ガルディナ谷に別れを告げ、次の拠点、ティーレス谷のチプリアーノに向かいます。
早朝に荷造りを済ませ、朝食を心おきなく摂り、チェックアウトを済ませます。
お世話になったのは5泊。いつか又泊まりに来たいとオーナーに告げて、名残惜しいホテルを後にしました。
バスでボルツアーノへ出ます。
数少ない直通便を選んだら、あのKさんご夫婦とバス停で再々会。
彼らも同じ日に移動し、ミラノ方面に出る予定でしたが、オルティゼイに宿を確保し、さらに数日ガルディナ谷にとどまるようです。
その移動に合わせ、ボルツアーノへ出て列車の切符を確保し、とんぼ返りでオルティゼイに戻ると言う。
ボルツアーノまでの道連れが出来ました。
ボルツアーノはこの地方の最大の都市です。
立派な駅舎です。オーストリアや南ドイツからの国際列車も停車する鉄道の要でもあります。
ここでKさんたちと別れ、バスターミナルを目指します。
乗って来たバスで終点で降りれば無駄は無かったのです。
しかしバスの荷物室が目一杯で、何とか押し込んで詰め込んだため、ほとんどの乗客が降りた駅前のバス停で、我々の荷物はドサクサで路上に放り出されるはめに。
面倒なのでここで降りることにしたのです。
駅からすぐそばのバスターミナルの筈ですが、ちょっと分かりにくく、結局遠回りして辿り着くことが出来ました。
ついて見たら何のことは無い、駅まで目と鼻の場所。
建物に囲まれたターミナルで、遠目には停車しているバスを確認出来ない構造でした。
バスターミナルに公衆トイレがありました。
そのトイレの管理事務所が手荷物預かりも兼ねています。
もちろん有料ですがボルツアーノで楽に行動したいので、預けて身を軽くすることにしたのです。
身軽になってレノン高原へ向かいます。
駅から北へ線路に沿って久しぶりに都会の猥雑な道路を歩きます。
ゴミも多いし人も多い。山の清々しい町との開きに戸惑いながら先を急ぎます。
しばらくして行く手に円筒形のユニークな建物が見えて来ました。
標高約1200mのソプラボルツアーノへのゴンドラ駅です。
ここも、その上のレノン高原鉄道も、例のモビルカードが使えます。
ゴンドラ山頂駅を出るとそこはレノン高原鉄道の駅。
この高原を貫くように可愛い山岳鉄道?が通っているのです。
この鉄道は狭軌でスイスの登山鉄道的雰囲気がプンプン。
細身の車輛がホームに滑り込んできました。
ところで例のモビルカードですが、利用の度に機械を通すように指示されてます。
チケットに日付けを刻印するバリデーションと言うほぼ欧州全般に共通するシステムです。
切符に刻印がないと不正乗車とみなされ、法外な罰金を請求されます。
これはホームに設置されたバリデーションマシン。
切符は磁器カードなので印字と言うより磁気記録です。
ただ裏面を見ると利用履歴が印字されてました。
モビルカードは上部の投入口に差し込んで記録します。
下部に丸い印があります。
これはスイカの様なパスカード用らしく、チャージされた金額を引き落とすシステムのようです。
車窓には長閑な牧草地が広がります。
単線の交換駅でレトロな電車がすれ違いました。
この鉄道が100周年とかで、レトロな電車を走らせているようです。
残念ながらこの日はそれに乗ることは出来ませんでした。
終点のコッラルボに到着。
100周年の記念ロゴが駅舎にペイントされていました。
ちいさな高原の町コッラルボに観光客が次々と押し寄せて行きます。
普通の暮らしのこぎれいな家並みをすり抜け、中世から続くと思わせる様な街道筋をある目的地に向かい、せっせと皆が歩いてます。
歩道に何やら怪しげなロゴ。
そうです。ここ奇怪な光景が展開する、ピラミーデ・デ・テッラがあるのです。
気温が上がり、高原とは言え蒸し暑く、汗だくで歩道のマークを追いました。
展望が開けて来ました。
アディジェ川の谷を挟んでドロミーティ方面の山々。
高原が大きく谷に落ち込むあたりに小さな集落と教会の尖塔。
ガイドブックで見慣れた光景です。
いよいよご対面です。
谷の向こうに特異な地形が現れました。
ピラミーデ・デ・テッラ。
大きな石を頭にのせた細い三角錐がにょきにょきと林立しています。
長い年月をかけ風化や侵食で刻まれた大自然のモニュメントです。
でもなぜここに集中。大自然の気まぐれに驚くばかりです。
今日の遠足はここでお終いです。
昼下がりの強い日差しを浴びながら駅まで戻ります。
上り気味の帰り道は辛い。
駅に到着。
さて喉を潤そうにもバールも売店も開店準備中。
開店は数日後。ハイシーズンはまだ先と言うことでした。
ゴンドラ山頂駅前のカフェで昼食。
一息入れてボルツアーノへ戻りました。
ボルツアーノで荷物をピックアップ。
バスでティーレス谷へ。
アディジェの谷から再びドロミーティの谷へバスは山深く分け入って走ります。
谷の中心ティーレスの町を過ぎ、さらに山奥に入るとそこはサンチプリアーノ。
今日の移動の終点、チプリアーナホフホテルに到着しまた。
今日から3泊、プチ贅沢を味わいます。
ここはローゼンガルテンの懐に抱かれた高原のリゾートなのです。
日本でこのクラスのホテルにはそうそう泊まれません。
山旅の有終をここで過ごしたいと、ちょっぴり張り込みました。
案内された部屋は広く清潔でシンプル。
木と白壁が我が家の様で落ち着きます。
お風呂も広く、熱いお湯がこれでもかと出て来ます。
部屋の入口の壁には真新しいザックが。
案内してくれた係の女性が、これは貴方のです、と説明してくれました。
まさか持って帰れと言うことじゃなく、ここに居る間自由に使えると言う意味でした。
このホテルは3/4ボード。2食付きにおまけがつきます。
それはおやつでした。
毎日3時から5時までビュッフェ形式の軽食がサービスされるのです。
内容はスイーツからちょっとした肉料理、パスタまであります。
まだ時間内なので早速頂くことになりました。
見ているのはディナーのメニュー。
ここでも幾つかの選択肢が用意されていて、何にしようか悩んでいるところです。
結果がこれ。
ディナーは7時から。
開放的な食堂で、ゆっくり2時間かけてのディナータイム。
初日はビビりながらのスタートになりました。
食事が済む頃にやっと夕暮れがやってきました。
でもまだイベントは終りません。
庭に用意されたデザートビュッフェ。
クレープが焼かれてます。
テーブルにはスイーツが並んでます。
お皿はすぐに満杯になりました。
そんなに食べて良いのかな・・・
少し後ろ髪引かれながら、全て胃袋の中に収まって行きました。
夕闇の中で甘い晩餐は続くのでした。