雨量計のある9合目からは、傾斜の緩んだ唐松林の道を一がんばり。三角点の標識が出てきました。コースを少し北へ入った所に2等三角点がありました。日向山は標高1630m、多分この三角点の標高でしょうね。
山道に戻って、少し行ったところで林がトンネルのように切れています。ここが日向山!
トンネルを抜け出て飛び出したのは、目にもまばゆい白砂の山巓でした。日向山の北面に広がる「雁ヶ原(がんがはら)」が特異な光景を展開しています。樹林帯の鬱蒼とした緑の世界から、一気に光り輝く白砂の原に飛び出た瞬間、みんなの口から一斉に歓声が上がりました。これが仕事場の窓からも見えている日向山の白い斜面でした。
残念ながら甲斐駒は雲に隠れて見えません。八ヶ岳も山頂付近は雲の中です。でも我々が生活する小淵沢ははっきりと俯瞰する事が出来ました。
一息ついてから雁が原の散策開始です。少し先の祠のあるピークを目指します。滑りやすいザラの下りのトラバースを慎重に下ります。
下ったところからふり返ります。女性軍がへっぴり腰で下りてきます。甲斐駒周辺は花崗岩の地質です。その花崗岩が風化して、この様な特異な光景が生まれました。甲斐駒山頂付近も似たようなザラ場ですね。燕岳にも似ています。
祠のピークまではザラついた痩せ尾根が更に続きます。ヘッピリ度も最高潮に達した頃、最後の岩場を一登りで狭いピークに立ちました。
以前は祠があったようですが、崩れてしまったのか、石碑になっていました。ここからの眺めも最高です。八つと甲斐駒の雲が無ければ・・・。
お賽銭を上げ、記念写真を撮って、山頂に戻ることにしました。
ちょっとした岩場を慎重に下って、再びザラついた斜面を登り返します。白砂の斜面を下りきった所に錦滝への下山路の標識が見えます。
さあ、この展望をおかずに楽しいランチタイムの始まりです。
今日の目的は2つ。一つはおいしいランチを食べること。もう一つは、八ヶ岳の裾野の我が家を確認する事です。
Hさんが持参した双眼鏡でそれらしい辺りをくまなく探ります。
中学校が見える。リゾナーレがあれかな? とすると我が家はこの辺・・・狭く、揺れる双眼鏡の視界に中に、はっきりそれとわかる存在は確認出来ません。おにぎりを一個頬張っては、双眼鏡を目に当て、カメラのズームを目一杯上げてシャッターを切ります。
まあ今日のところは諦めて、ゆっくり肉眼で広大な景色を堪能しながら、豪華なランチ!の続きを楽しむことにました。
まったりしていると、急に賑やかな歓声が辺りに響き渡りました。若者が次々と現れました。尋常な人数ではありません。
なんとそれはキャンプ実習でやって来たN大学の学生達でした。そのはしゃぎ様から最初は高校生?と思ったのですが、聞いたら大学生。総勢100人ほどとのこと、まあ大変だわと言う事で下山開始。
山道を下りながらも随分な人数とすれ違いました。100人からの若者を引率まとめる先生や手伝いのスタッフもさぞ大変でしょうね。
気温も低く湿気も少なく爽やかな山頂でしたが、さすがに下るにつれ湿度と気温が上昇します。下りもそろそろ飽きた頃、登山口に帰り着きました。
近所に良い山がありました。昔ここへ来ようという計画はあったものの、実現せずに過ぎていました。毎日眺める山に、思い立ったらすぐ登ることが出来る、そんな環境に感謝です。