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SWISS紀行2007 その18 スイスならでは、ハイキングのはしご! その1

2007年6月28日(木) 
第8日目 サンモリッツ–>ムオッタス・ムラーユ>ウンター・シャフベルク>ポントレジーナ>–>フルチェッラスラ麓駅>フルチェッラス>シルスマリア–>サンモリッツ–>

 昨日はアルプ・グリュムで遅めの昼食をした後、お馴染みのベルニナ線の1st貸切でサンモリッツに戻っってから、ホテルで一息ついてセガンティーニ美術館まで散歩に出た。旧市街までバスで出て、学校広場から美術館へ。こじんまりした美術館は森の斜面の中で、静かに来館者を迎えてくれた。思いの他の大きさの人生三部作に圧倒される。
 のんびりと街を散策。そろそろ土産の心配もしなくちゃ・・・。
 前夜の夕食がNさんご夫妻と最後。またまたその日の戦果の報告。活動的なNさんたちによれば、この地域は午前と午後違うコースをハシゴしてハイキングが出来る!と元気に教えてくれた。なるほどそうかと納得し、今日のコースを組み立ててみた。
 朝一番でムオッタス・ムラーユに上がり、眺めの良い道をウンターシャフベルクからアルプ・ラングアルト経由ポントレジーナへ。バスに乗ってシルスマリアを目指し、少し手前のロープウエイ山麓駅で降りて、フルチェッラスへ上がる。ここから再び展望の良い山腹の道をシルスマリアへ下る。そんなにハードではないが、日本ではなかなか実現が難しい、展望コースのハシゴが実現する。

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 定番になった7時45分のティラノ行きに乗る。今日でサンモリッツを去るNさんご夫妻も8時過ぎのアルブラ線でブリーク方面に旅立つ。奥様がホームまで見送りに来てくれた。手を振りながら楽しかった出会いを惜しみつつ、またの再会を願いつつ、姿が小さくなっていった。
 ポントレジーナでシュクオル行きの列車に乗り換えて一駅先のプント・ムラーユでで下車、ここでケーブルカーに乗り、山頂駅のムオッタス・ムラーユへ。
 数日前に来た時は夜だったのでほとんど景色は見られなかったが、今日はほとんど雲が無い上天気だ。すっきり具合では今回の旅行で最高の部類の好日だ。タンネの林が切れて、大きくケーブルカーが左にカーブしながら行く頃には展望もぐっと開けて、オーバーエンガディンの山と谷、ベルニナ山群の山と氷河が大パノラマになって迫ってくる。
 早朝でハイカーもほとんど居ない山頂駅に着く。この前夜景を少し震えながら見下ろした展望台も、今日は穏やかな日差しの中で360度のパノラマをプレゼントしてくれている。

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 主峰ピッツベルニナ、大きな氷河を抱えるピッツパリュー、ポントレジーナに向かって大きな圏谷が開け、その奥にはロゼック氷河。ここも数日前自分の足で歩いてきた所だ。
 この辺りの山が一望に見渡せるこの展望台は、旅の終わりを締めくくるには最適の場所だ。あそこも歩いたね、あそこのすぐ下まで行ったね・・・。そんな回想をめぐらす絶好のシチュエーションとしてこの場所は一押しだ。


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 標高2500mほどのこの辺りは、まるで槍ヶ岳みたいなピッツ・ムラーユのカール状の地形で、ゆったりと柔かな山肌は広大なアルプとなり、牧場らしい農家が一件ある。


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朝が早いせいか、ミルクかヨーグルトを飲ませる事もしているようだが、その気配は無くて残念だった。

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谷の底に道が近づき、ほとんど枯れた沢を横切ったところで三叉路に出る。急な斜面を登る左の道はセガンティーニ小屋に向かうルートだ。今日はハシゴの予定なので、セガンティーニ小屋はパスして右の巻き道を行く。また今度来る時はセガンティーニ小屋を目指そう。

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 モレーンの石の累々とした道が暫く続く。ちょっと歩きにくくなるような地形だが、鉄平石のような平らな岩を道に巧みに敷き詰めて、歩きやすい石畳になっていて、この辺りにもスイスの山道の整備の良心的な姿勢を見ることが出来る。木道と歩幅の合わない階段、少し考えて欲しい、何処かの山は・・・
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モレーンを過ぎると山道は平坦で歩きやすくなる。やがて目前にロゼック谷が開けてくる。少しヒイヒイいいながら越えてきた峠道の思い出を、反芻しながらのんびりと歩を進めてゆくと、樹林帯に差し掛かり、人の声が聞こえてきて賑やかな様子が感じられ、ひょっこりとウンター・シャフベルクの小屋の上に出た。
<続く>

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