動き出した高原の家計画。総予算が限られているので大きさが自ずと決まる。総床面積30坪、建築面積は15坪。単純に総2階が一番坪単価が安く上げられるからで、まあ貧乏人に我が儘は許されない。
第一段階、家の概要を決めねばならない。こっちの盛りだくさんの要望を聞き入れてくれて、ざっくりした図面がFAXで送られてきた。
さすがはS棟梁、概ねこちらの意図した内容が落とし込まれている。3間5間のマッチ箱のような家、外観がどうなるか心配(チマチマしすぎて・・・外観に不安が・・・)だった建物の外観、予想に反して長手方向に傾斜のつく屋根のデザイン。おお、これなら南面は目一杯開けるので採光の問題は解決。
問題は間取りや設備。まだ計画が動き出したばかりなので、あれこれ悩めばいい。と言っても際限なく時間がある訳じゃない。棟梁の仕事の兼ね合いで、6月には詳細を詰めて行くことになるだろう。
今悩んでいる事がいくつか。
一つは台所。広々としたオープンキッチンか、リビングからは見えないクローズドキッチンか・・・AB型の妻の悩みは尽きない。
もう一つ。暖房器具。今のところ夜間電力を貯め込む蓄熱暖房を考えているのだが、薪ストーブも魅力的だ。
何度かお邪魔した飛騨のハム工房は薪ストーブ。ここで薪をくべながらストーブの前に座って居ると、ほこほこした温もりの虜になる。
そこで、やっぱり薪ストーブにしよう、てなるのだが、すぐに現実に呼び戻される。
「薪はどうするの?薪の確保は体の弱った老人には無理だよ」
蓄熱暖房に戻る。
S棟梁の新築物件を拝見しに行く。
「薪ストーブは良いですよ!薪なんかどんどん手に入りますよ」
やっぱり薪ストーブだよね。
でも「薪割りは息子にやってもらってます」
あっそう。やっぱり蓄熱暖房だ。
いつも頼んでいる植木屋の若旦那。
「いまDIYで薪ストーブを自宅につけてますよ。近くにストーブ屋さんがあるので紹介しましょう」
「停電の時には絶対薪ストーブに限りますよ」
うーん、弱った。会社のスタッフを含め、計画を話した都会の友人・知人はことごとく薪ストーブを進める。自分たちの憧れを人に押しつけたいらしい。
未乾燥の薪がくすぶり続ける昨今である。