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Casa Mile を建てる



 Casa Milleにはプロトタイプがある。長年足繁く通った小淵沢の友人宅がそれだ。白い壁に大屋根。窓はその時分珍しかったドイツ製の木製サッシで、当然2重ガラス。窓枠には額縁が嵌められ、白い壁とコントラストが際だっていて、良い表情を作っていた。
 今思えば、ログハウスの窓や、スエーデンハウスの窓のデザインなのだが、初めて目の当たりにしたとき、その垢抜けたあしらいに心惹かれた。
 それ以来住宅のデザインに占める窓の重さを感じるようになった。いつか新築の時には是非その思いを遂げるつもりでいた。でもまさかその日が現実にやってくるとも思ってもいなかった。
 それが急展開、家を新築する夢が実現したのだ。
 最初ログハウスを考えた。高校時代からの友人が自力で小さいながらログハウスを建てたのを見て、ログは良いなーと、単純に憧れた。でも現実は厳しいことをすぐに悟った。そこそこの大きさのログをセルフビルドするには、時間も、体力も、精神力も、財力も必要な事がわかったからだ。まして建ててもらう事にすると、なんと坪100万もかかってしまうと驚かされ、あっさり断念した。
 そうこうする内に土地が内定した。同時に冒頭の写真の家を建てた大工さんの都合がつきそうな事を小耳にした。予算も何とか射程圏内に納めてくれるみたいだ。
 まずはとんとん拍子に事が進み始めたのである。総床面積は30坪、建坪は15坪で3間の5間というこぢんまりした家を計画している。ポイントになる窓は木製のサッシと額縁を使う。ドイツの窓は高価なのでアメリカ製になるが、国産の樹脂サッシに比べたらずっと雰囲気が良い。


 GWに打ち合わせに行った折、昨年の夏に出来たばかりのお宅を拝見させていただいた。棟梁のSさん一押しの物件だ。北面の壁が高い片流れのデザインで、少々意表をつく発想の家だ。南から見ると大屋根の平屋に見える。白壁に額縁付きの窓。さっぱりと端正な顔つきが良い。もちろん内装もいろいろ工夫を凝らしてるが、我が家の場合はシンプルで良いので話は楽だ。
 ただ、大きくない坪数をどう割り振るかが難しい。妻はキッチン回りのまとめ具合で悩んでいる。しばらくは小間割で悩む日々が続きそうだ。でもこれが憧れていた家造りの悩み、苦しくはないのが幸いだ。

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