井戸尻考古館の土器つくりプロジェクト本番が始まりました。
町の公民館分室を借りての作業です。
考古館館長自ら貴重な展示品を持ち込んで、いよいよレプリカ作成が始まりました。
館長の一通りのレクチャーの後、土との格闘が始まりました。
まずは装飾を外した大元の器の基本形を模写します。
粘土を積み上げて行くのですが、幾つか思っていた事と異なる所がありました。
一番目。
器を逆さまにして底が最後になる様に積み上げます。この方が変形に強いようです。
二番目。
紐を積み上げるのではなく、細い板状の粘土を積み上げるのだそうです。
紐だと表面を均す作業が大変です。細長い板状の粘土を底辺にアールを付けながら伸ばし、それを円形に立ち上げると自然にサイドの曲面を出す事が出来ます。
3cm程の高さで積んで行く事で、平滑で滑らかな器の曲線を持つ断面を形作る事が出来ると言う訳です。
でもこの作業、思ったよりも大変です。正確にオリジナル通りの曲面を出すのは至難の業です。
しかも今回はレプリカ作りですから、形と同時に大きさも忠実に再現しなければなりません。
この大きさの再現は難しい作業です。結局二人ともオリジナルの1.5倍程の巨大な壷を作ってしまいました。
館長さんの駄目だしも覚悟でしたが、まあ超初心者・・・と言う事でお目こぼしに預かりました。
器の原型が出来上がった所で次の行程に入ります。
縄文土器のアイデンティティー、縄文模様を表面に付ける作業です。
その作業に入る前に重要な儀式があります。
縄を自分でなわないといけないのです。土器つくり先輩から縄のない方を教わります。
素材は荷造り用の細紐。和紙の様な紙を丸めた紐です。
これを開いて薄い紙の状態に戻し、適当な幅に裂き、指先をチョッチョと撚りをかけます。先輩の指先の紐はきれいな縄に生まれ変わります。
撚りを強く掛ける事、2本の紐に均等に撚りを掛ける事、それで自然に縄の形になります。
頭で理解出来ても指先が反応しません。
結局今日は縄ないの修行途中でタイムアウト。
自分で綯った縄じゃないと使ってはいけないと言う厳しいルール?今夜は徹夜で縄ないです。