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イタリアの山旅2017編 その8 ロゼッタからの山下り

7月8日

サンマルティーノでの山歩きが始まります。
まずはホテルのバルコニーの目の前にそびえ立つロゼッタを目指すことにします。

ロゼッタはこの山域の主峰ではありませんが、麓の街からも際立つピーク。
Pala方面の山へはガイドが必要だったりハードルが高い山ですが、ここは一般ルート。
しかもそのすぐ下までゴンドラとロープウエイが運んでくれます。
今日は朝からドピーカン。
朝食もそこそこに・・・ではなく手抜きせず豪華な朝食をしっかり頂いて・・・ゴンドラ駅を目指しました。

ゴンドラ駅はホテルのすぐ上。10分も歩かずに到着です。
早朝にもかかわらず続々とトレッカーがやってきます。
数人乗り合いでゴンドラに乗り込みます。
街がどんどん下の方に遠ざかって、ロープウエイへの乗り継ぎ駅へ。

ここからロープウエイで一気に山頂直下まで持ち上げてくれます。
始発から間もない時間帯、さすがに乗客は少なく、ゆったり乗ることができました。

山頂駅です。
ここを起点にいろんな方面にトレッキングルートが展開しています。
計画ではここからカナリー谷を目指すロングトレールを歩くつもりでいました。
昨日インフォメーションで町まで直接下るルートも面白いとの情報をもらい、まずはロゼッタ周辺の山歩きをすることになりました。

せっかくロゼッタの直下まで来たので山頂を目指します。
小高い丘のように見える山の一番高いところに十字架が見えます。
山頂までは2、30分というところでしょうか。
一面石灰岩だらけの山道を焦らずゆっくり登りだしました。

山頂の十字架が近づき、もう数十メートルの所ではっきりした道がなくなりました。
ここからは岩の上をいく筋かの踏み跡に沿って進みます。
逆層の石灰岩のため妻はビビってここから先へ進めなくなりました。
ほんの少しの登りなのですが、まあ無理をせず、彼女はここで待機です。

山頂です。
十字架がポツンと立つだけの狭い山頂です。
広大な展望が開けました。
すぐ真下にはサンマルティーノの街。
覗き込むのには勇気がいります。
早々に山頂を後に、次のルートに向かいます。

ロゼッタの下り。
石灰岩の殺風景な光景の中、ホテルのようなロゼッタ小屋が見えました。
一旦ロープウエイの山頂駅へ戻り、石の原を北東に進んだところに小屋がありました。

小屋で一息入れ、いよいよ本日の核心部へ。
今日はこれからロゼッタを東から南にえぐるように深く切れ込んだ谷筋を下ります。
ルート番号702です。

標識にはサンマルティーノの街まで3時間とあります。
いつも思うのですが、この時間設定の基準は?
多分、絶対、この時間では歩けません。
ま、確かに外人(ここでは我々が外人?)の歩く速度は並ではありません。
日本の山じゃまだまだ抜かれることは少ないのに、こっちじゃどんどん追い越されます。
やっぱりオリンピックで勝てないは・・・。

702番に入ってしばらくは平坦な道でしたが、いよいよ大下りが始まりました。
深く切れ落ちた谷をこれから麓まで歩いて行きます。
先の様子が分からないので慎重に歩をすすめることにしました。

深く切れ落ちた谷筋に巧妙に登山道が付けられてました。
谷の中にも尾根状の筋があります。
地形を巧みに利用しながら、つづら折れのしっかりした道が整備されてます。
ここまでの整備は日本でも少ないと思います。

一気に下って谷の両側の岩山が大きくせり上がります。
前方に緑の明るい斜面が見えてきました。
ランチに絶好の場所になりそうです。

傾斜が緩んで小広い緑の草原が現れました。
フェーデ峠のようです。
それまでの殺風景な光景が一変。
体も心もほっと一息。

緑の原はお花畑。
エーデルワイスも足の踏み場が無い程咲き乱れてました。

お弁当を広げます。
街が変わって、パン屋さんも変わったので、お気に入りのパンは諦めていたのですが、なんと同じパンがありました。
お気に入りのパンと、エーデルワイスの贅沢なツーショットです。

でもこのパンがあったのはこの日だけ。
次の日からはお目にかかることができませんでした。
これはドイツ系のパン。
ここまでくるとドイツの影は薄いので、無いのも納得です。

一息入れて、再び急な谷を下り。

まだ道のりは半分ほど。
まだまだクネクネ道が続きます。
途中大きな沢を通過、ちょっとした滝があったり、沢床に下りて水に触れたり・・・少々エンターテイメントもあったり。

岩と石ころだらけの道も徐々に緑が支配的になります。
高山植物も目立ってきます。
これは多分トリカブト。
白い(黄色?)花は珍しいです。
でも毒は一緒!

やっと樹林帯に突入。
こちらの山は潅木帯が少なく、いきなり針葉樹の森になります。
森が出てきてもまだまだ先は長いようです。
谷底に見える自動車道はずっと下です。

大きく尾根を回り込むところはトンネルが掘られてました。
当然中は真っ暗。
妻は前が見えないと大騒ぎ。
何のことはない「サングラス」したまま。
トンネル抜けてから外しても無意味でした。

長〜い下り。
もう良いかな、というタイミングで麓の牧場に出ました。
今回の山歩きは岩ばかりのところが多く、牛が放たれた牧草地はあまり歩いてません。
やっぱりスイス的?なアルプの光景。
これを求めて欧州へ来てるのですね。
何だかほっとします。

町まで結局休憩込みで5時間ほどかかりました。
下り一方とはいえ結構ハードなトレッキングでした。

サンマルティーノに降りて少し時間もあるので、ロゼッタと谷を挟んで反対側のトニョーラのゴンドラに乗ってみることにしました。
町外れにあるゴンドラ乗り場まで歩きます。
思ったよりも遠く、疲れた足にこたえます。
ゴンドラで展望台へ行き、今日歩いたロゼッタの谷を眺めつつ、サンンマルティーノの初めての山歩きの感激を噛みしめていました。

さあ明日はどこへ向かいましょう。

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