7月2日
ヴィーゴデファッサをベースキャンプにしたトレッキング開始です。
5日間の行動でファッサ谷周辺の主だったトレッキングルートを体験することができました。
昨夜ヴィーゴのホテルで、福岡のNさんたちのグループに1年ぶりの再会です。
今年もドロミーティで会うことができたのです。
このホテルやトレッキングルートの情報はNさんからいただいてます。
こころ強い仲間と合流でき、楽しい山旅が期待できます。
彼女たちは4人グループ。
Nさんご姉妹と山仲間のお二人。
みなさん筋金入りの山女(失礼)で頼もしい限りです。
1週間ほど早くコルチナへ入られ、ファッサ谷に回ってきました。
ここで同じ宿に泊まられます。
同行の計画はなかったのですが、たまたま狙うコースが同じになり2日間は行動を共にしました。
それまで安定しなかった天候がやっと落ち着いてきたようです。
数日前までは3000m近い山は雪が舞ったり、霰が舞ったりしていたそうです。
そこで行き先として浮かび上がったのがカテナッチョ(ローゼンガルテン)の南端の峠を越えるルートです。
まずはバスでパオリーナへ出ます。
このバスはSADバスのボルツアーノ行きです。
少し先のカレッツア湖まではTTEのパスで乗車できます。
パオリーナの一つ上のバス停(チプリアーナ方面への分岐)で乗り換えです。
ここでSADバスのチプリアーナ方面行きに乗り換えるのですが、バスの到着が遅れてバスの気配がありません。
仕方なく諦めかけた頃、遅れてきたチプリアーナ方面のバスが現れ、無事に乗車できました。
バスで向かう先はMalga Frommer Almのバス停。ここもパスが有効でした。
ここからKonig Laurinリフトで一気にRif.Fronzaへ上がります。
到着したのは昨年も来た山小屋。
その裏手の断崖絶壁を這い上がるのが今回のルートです。
ロープを体に巻きつけた勇敢な子供達がいて驚いた場所ですが、実は一般ルートもあったのです。
岩場を越えてPasso delle Coronaleを目指す、西から東へ抜ける峠越えなのです。
昨年見てびっくりした岩の壁!
今年もへばりつくように登山者が見えます。
妻は不安の色が隠せません。
でも今日はこころ強いサポートが何人もいます。
彼女達の間に挟んでもらい、手強い岩場の登りが始まりました。
小屋の裏手からいきなりの急登です。
ルートは550番。
浮石は少なく足場はしっかりしてます。
少し高度感のある場所では緊張する場面です。
外人用?に刻まれたステップで足がなかなか上がらないこともあり、苦戦してます。
危険な場所にはしっかりしたワイヤーロープや鉄筋の足場があって、慎重に進めば問題ありません。
でもやっぱり身体的ハンディは大きく、足がなかなか上がらず悪戦苦闘。
妻はいきなり過酷な登りを強いられ大変だったようです。
急な岩場をやり過ごすと幾分平坦な道が現れます。
ドロミーティらしい岸壁の裾の岩クズのトラバース道です。
大きく尾根を巻くように進み、いよいよ峠への最後の登りが始まりました。
両サイドの岩山が高く聳え、深く切れ落ちた先が峠です。
大きな岩がゴロゴロ堆積したガラ場の登りです。
先ほどの壁とは違い、凹んだ谷を行くので高度感は少なく、ひたすら急な登りに耐えます。
ガラ場の道は歩きやすいように工夫されていました。
丸太を刻んだステップ。
階段の踏板にはチェーンソーで滑り止め加工。
太い丸太の頑丈な手すりとワイヤーロープ。
整備された山道は他のルートでも見ることができました。
岩山の深い切れ目から反対側の景色が広がって、やっと登りが終わりました。
ここがコロネッレ峠2635m。
緊張した登りを終えほっと一息。
この地域の名峰カテナッチョの一部に触れた実感が湧いてきました。
さあ今度は東斜面のトレッキング開始です。
カテナッチョは北、今から進むのは南方面、カテナッチョとは離れてRODA DI VAELの東面に足を踏み入れることになります。
峠を後にしばらくは滑りやすい急斜面を慎重に下ります。
傾斜が緩んでトラバース道の合流。
ここはヴァイオレット小屋への分岐。
我々は541をヴィール小屋へ向かいます。
やっとドロミーティトレッキングらしいルートになりました。
よそ見しながらでも歩けます・・・でも油断は禁物。滑ったらザラザラの斜面をどこまで滑り落ちて行きます。
トラバース気味の道が傾斜を増してきました。
ザレた登りがずっと上の方へ続いてます。
峠が一つあるようです。
Passo Zigolade 2555m。
急なザラザラ斜面の先に尖塔のような岩山。
その右の鞍部が峠のようです。
このルートは人気のコースらしく登山者の往来が多くなってきました。
Zigolade峠到着。
ただの乗っ越しといった場所。
休憩もそこそこヴィール小屋方面に下ります。
再びザレ場のトラバース道。
標高が下がってくると緑が出てきます。
背丈の低い高山植物です。
もちろんありました。
スイスの花という印象の強いエーデルワイスですが、スイスではめったに見かけませんでした。
昨年のドロミーティでたくさん自生の(?)それを目にしました。
ドロミーティの地質と相性が良いのか、今年もたくさん見ることが出来ました。
当初の予定ではヴィール小屋まで行く予定でしたが、天気も少々怪しくなりかけ、時間も思いの外費やしてるので、小屋まで行かず尾根通しのルートでロープウエイ駅のチャンペディエを目指すことにしました。
結果は大正解でした。
雲上のスカイライン的プロムナードが続き、エーデルワイスも咲き乱れる素敵な山道でした。
少し雲の多い天気で、彼方の山々まですっきり望むことはできませんでしたが、これは是非オススメのルートです。
南側には深い谷があり、その底付近を行くルートが望めます。
後日そのルートを歩いてみましたが、やはりこのルートの方が気持ちよく歩けそうです。
見晴らしのよい尾根筋がやがて樹林帯に飲み込まれます。
急なタンネの森を下りきるとスキー場に出ます。
そこがチャンペディエ。
広い芝の丘に何軒かの山小屋があります。
泊まっているヴィーゴから直接登るロープウエイの山頂駅です。
歩き終えた山々を眺めながら山小屋でカフェ。
今日一日充実した山旅を振り返りながらまったりと過ごすひと時になりました。
ここからホテルは目と鼻の先。便利なアクセスに感謝。
さて明日の山はどこになりますか・・・。