7月1日(金)コルティナ2日目。ファルツァレーゴ峠からアヴェラウ、ヌヴォラウ、チンクエトッリ。
天気はまあまあで、それまで見えていなかったすぐそばににあるトファーナの山頂付近が見えてました。
今日はアヴェラウからチンクエトッリ方面に出てみることになりました。
コルティナの観光案内所で知り合ったKさんご夫妻も同じような行程を取られるようで、バスターミナルで再会です。
朝一番のバスでファルツァレーゴ峠に向かいます。
コルティナ周辺の山へアクセスするバスは本数が少なく、我々みたいなは外国から訪れる者にとってはとても不便です。
現地の多くの人たちはマイカーを使ってました。
ツアーの人たちは専用バスもありです。
このコースの場合朝は数本バス便があるのですが、帰りに利用できるバス便の便が悪く、午後1時台のバスを逃すと夕方5時前後のバスになってしまいます。
この時期のヨーロッパは日暮れが遅く、9時まで明るいので夕方歩くのに問題はないのですが、必ずと言って良いほど夕立があります。
天気が安定している昼過ぎくらいまでに行動の大半を終える方が雨の心配はありません。
まあ日本の夏山も同じですね。
到着したファルツアレーゴ峠のすぐ北側にはラガツォイ山が荒々しい岩肌をむき出しにして聳えてました。
山頂付近までゴンドラが通じてます。
こちらではよくあるパターンですが、麓と山頂をワンスパンのケーブルで支えてます。
景観を害する鉄塔を少しでもなくす工夫でしょうか?
ラガツォイを背にするように南東へ441番のルートを行きます。
放牧地らしく草地が広々とした斜面を少しづつ高度を上げて行きます。
草地と言ってもよく見るとお花畑です。
キンポウゲやイチゲの仲間がびっしり。
下草はなんと、我が家で大事に育ているアルケミラモーリス。
これを牛さんたちがむしゃむしゃ食べていることになります。
なんとまあ贅沢な。
豪華な景色が展開します。
これはアルペンローゼ。
スイスで見たのはもっと濃いピンクでしたが、こちらのは淡い色合い。
素敵です。
広い草原をしばらく登って行くと、少しずつ周囲の様子が変化してきました。
この辺りでフットワークが軽快なKさんご夫婦と別れ、2人だけの行動になりました。
ドロミーティらしい石灰岩の岩肌がむき出しになり、大きな岩をすり抜けながらゴツゴツした岩場の登りが現れます。
難しい道ではないですが、下りはちょっと苦労しそうです。
岩場の登りを切り抜け、しばらく進むとコルに出ました。
南側の景色が広がりジアウ峠が眼下に望めます。
道はアヴェラウ山の切り立った岸壁の裾をかすめるように回り込み、アヴェラウ小屋を目指します。
石灰岩が崩れて堆積したガラ場の斜面に付けられた道はしっかり整備され、見た目ほどの不安感はなく、開放的な景色を眺めながら快適に歩を進めることができます。
アヴェラウ山を回り込んだところで小屋が見えてきました。
アヴェラウ小屋で一息入れて、すぐ南のヌボラウまで上がることにしました。
ジアウ峠方面からは岩場を乗り越えてやってくるヌボラウですが、こちからかは逆層ながら歩きやすい石灰岩を踏んで楽に上がることできます。
屹立したアヴェラウを眺めながらのスカイラインです。
ヌボラウ山の小屋はすぐそこ、2575m今日の最高到達点です。
小屋で周囲の展望を楽しみますが、ちょっと雲が多く遠望はききません。
バスの時間もあるので長居はできず、次の目的チンクエトッリへ来た道を引き返しすことに。
チックエトッリとは5つの岩峰のことです。
前方に見える大きなトファーナの右にこじんまりと立つ岩山がそれでした。
雄大な高原の中では思ったよりもコンパクト、というのが第一印象です。
チンクエトッリまで439番のルートで下ります。
見えている以上に時間がかかるのは昨日で経験済みですが、今日も似たような状況で、意外と辿り着くのに時間がかかりました。
この地域では第一次大戦でオーストリアとの激しい山岳戦があり、その要塞があった場所。
今でも遺跡として残されているようです。
見学とも思ったのですが、時間がないので真下まで行って戻ることにします。
岸壁に張り付いているクライマーを発見。
メジャーなルートの様で山頂付近に別のパーティーがいました。
軍隊のレンジャー部隊もマシンガンを持って訓練中でした。
チンクエトッリからはリフトで麓へ下山。
バス停でKさん夫妻と合流し、無事に13時台のバスに乗ることができました。
このバス停では日本のツアーの方にも会いました。
その方達を案内していたのが現地案内所の日本語のできる係員のマヌエラさん。
今回の旅で彼女には沢山お世話になりました。
ところでコルティナには沢山の日本のツアー客がいましたが、今日の行程中日本の方との出会ったのはチンクエトッリ周辺だけでした。
なかなか長いトレッキングルートまで案内されてはいないようです。
この傾向はこの先西ドロミーティでも同じで、少しマイナーなロングコースでは日本の方と出会うことはありませんでした。
これはドロミーティの情報が少ないことに起因しているようです。
私たちも今回のコース設定に苦労しました。
何回もこの地域を経験しているNさんや偶然出会ったKさんたちの貴重な情報があったればこそ、なんとか楽しんで来られたということです。
さあ明日はコルティナ最終日。
クローダダラーゴへ向かいます。