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入笠山で癒されてみては

うっとうしい梅雨ですが、一時の晴れ間をぬって山歩きも良いものです。
隣町の入笠山は手軽に楽しめる癒し系の山としておすすめです。

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標高1700mまで一気にゴンドラで上がると山野草が咲き乱れる湿原まで一投足。
今の季節約80万本のスズランがひときわ目を引きます。
ここにあるのは園芸用に改良されたドイツスズランではなく日本スズラン。
葉の下にひっそり咲く佇まいは君影草とも呼ばれ、慎ましやかな日本女性に例えられます。

6月中旬くらいまではスズランが主役ですが、夏が近づくにつれ150種類ほどの山野草、高山植物が咲き乱れます。

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入笠山がある釜無川源流域はかつて敦盛草の群生地でした。
この地域の敦盛草はひときわ濃いワイン色が特徴で、大きく膨らんだ花弁の形状と合わせて「カマナシホテイアツモリソウ」と名付けられています。
膨らんだ花弁を戦国武者が流れ矢よけに背負った「母衣(ホロ)」に見立てたものです。
アツモリの由来は若くして命を落とした平敦盛にちなんだものです。
平家は「赤」でした。
ちなみに同じようなラン科の植物にクマガイソウがあります。
こちらは源氏の武将熊谷直実の母衣、源氏の白に由来するように白っぽい花弁を持っています。

アツモリソウは乱獲によって絶滅の危機に晒されています。
今や野生の敦盛草を自然のままで見ることはまず出来ません。
この貴重な花を絶やさないように、地元のボランティアが繁殖に勤めてます。
ゴンドラ終点駅から湿原に向かう林の小道沿いに手厚く保護された園地があり、そこでこの貴重な花を見ることができます。
湿原の上にある山彦荘でも敦盛草を見ることができます。
山彦荘のご主人はこの湿原の自然を守るボランティア協会の重鎮で、この貴重な敦盛草をはじめ入笠山の自然を守り続けていらっしゃいます。

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この時期のもう一つの見頃はクリンソウです。
大群落はありませんが、林の中の小道ぞいにぽつぽつ見ることができます。
ちょっとした群落もあります。

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湿原の花を見た後は、ほんのひと登りで山頂に立つことができます。
天気に恵まれれば山頂には360度の展望が待っています。
八ヶ岳が横いっぱいに広がり、甲斐駒ケ岳が間近に迫ります。
遠く北アルプスも望むことができます。

花のシーズンは大賑わいで、広い山頂は人で埋め尽くされます。
登りやすくて眺めの良く皆に愛されている証と言えます。

ちょっと山を歩きたくなって、ぶらりとやってきて、花と展望を楽しんで、、、。
癒しを求める人におすすめの山歩きです。

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