アナログレコードの再生に目覚めました。
まあ初体験と言う事では無いので、二度寝から起こされた、というべきでしょうか・・・
昔のカートリッジが戻って来たまでは良かったのですが、MCタイプのため今のシステムには都合が悪く、急遽ステップアップトランスを作って凌ぐことになりました。
MC対応のフォノイコライザーがあれば問題は無かったのですが、緊急措置の簡易型フォノイコPEQ-3にはそんな機能はついてません。
そこは困ったときのぺるけ師匠。
コストのかからない解決法がありました。
http://www2.famille.ne.jp/~teddy/pre/pre3e.htm
昔懐かしい山水の小さなトランスを活用すると言う物です。
ST-12インプットトランス、トランジスタ用トランスと銘打った親指大の豆トランスです。
ぺるけさんのページでは420円となってますが、さすがにこのご時世で値上げになり約700円です。
それでも2個で1400円。
他に幾つかのパーツを組み合わせるのですが、ケースを高級なタカチのUCシリーズを奢ったりしても4000円でたっぷりお釣が来ます。
そこそこのMCトランスを買ったら聖徳太子(古い?)が吹っ飛びますので断然お得です。
使うパーツです。
電子工作と言うよりは機械工作で、電子的なパーツは100kΩの抵抗2本のみ。他はコネクターやケースなど機械的な部品です。
ステップアップ回路の原理や理論については上記ぺるけさんのページをご覧下さい。(いつも他人の褌でスミマセン)
作成はケースの穴あけが主体です。
ぺるけさんの作例では平ラグ板にトランスを組み込んでますが、私の場合手持ちにガラエポ基板があったので、それを使ってみる事にしました。
ケースの大きさに基板を切り出します。
4隅に穴を開けます。スペーサーをかませてケースに固定するためです。
基板とスペーサーの固定ネジの導通を確実にするため、穴の回りをハンダメッキしました。
前後のパネルににはRCA端子が付きますが、アースを確実に取るために穴の回りのアルマイトを削っておきました。
これは大事な作業で、いい加減にやると後で泣きます。
トランスのカバーを直接基板にハンダで固定します。
これで確実に大きな面積のグラウンドにアースする事が出来ます。
もちろん基板とケースもしっかり導通を計り、シールド効果を最大に得られる様にします。
部品を取り付けた前後のパネルを組み込み、最後の配線をして制作は完了です。
電子的な回路ではないので、ショートなど物理的な不具合が無ければ動作に問題は無い筈です。
誤配線も無い事を確認して、いよいよテスト。
プレーヤーとフォノイコライザーの間に挿入し、レコードに針を落として見ました。
あれ、やばい、雑音がでてます。
アースが確実に取れてない様です。
接続のケーブルをいじると、あるタイミングで消えます。
接触不良・・・。
気を取り直し、ケースを開けて配線のチェック。
出力側のアースの配線がテンプラ状態でした。
しっかりハンダを流し込んで再挑戦。
今度はノイズも収まりました。
貧弱そうなST12で組み上げたヘッド・トランスですが、見事にDL103の微細な信号を増幅してくれました。
音質は?
どうなのでしょう、久しぶりにアナログに戻ったばかりの出戻りには、云々出来る情報が引き出せません。
ただフォノイコライザーや6N6Pのミニワッターなどトータルのシステムから出て来る音は感動物です。
時々プチッと機械的な音を立てる以外はデジタルと互角に渡り合える気がします。
アナログの方が素晴らしい!とは言いませんが、嵌まってしまいそうな何者かが住んでいます。
やっぱりアナログは泥沼の様です。
鉄の船でも新調せねばなりません。