© 2009 pico6. All rights reserved.

気まぐれトレッキング



 お盆休みの最終日(我が家には全然関係ないですが・・・)朝起きると雲一つないドピーカンでした。この時期こんなにすっきり晴れるのは珍しいので、今日は一つ小海線に乗って、列車から我が家を見てみるかと、まずは簡単な装備で駅へ徒歩で向かいました。
 駅までまともに歩くのは初めてです。最短ルートとおぼしき道をとっとと下ります。中央道をくぐる辺りから正面にぐぐっと甲斐駒の展望が開けます。標高が低くなった分、北岳は頭のほんの一部しか見えなくなりました。
 25分ほどで小淵沢駅到着。ちょうど臨時の八ヶ岳高原号が出るようでした。車両は噂のハイブリッドE200系。まあこれに乗れるのは嬉しいのですが、この車両きついスモークガラスで景色にフィルターがかかります。車内から我が家を撮影したいのですが、これじゃ色が出ません。それでも窓ははめ殺しじゃなく半分開きます。隣の座席の方に断って家の前を通過するときだけ開けさせてもらいました。
 発車まで暫く時間があります。駅弁のスタンドを目ざとく見つけた妻が「お弁当が美味しそう」と未練顔。えー、じゃあいっそお弁当でも仕入れて、このまま清里辺りまで乗っていって、弁当でも食べて帰ってくるか・・・と当初の小泉下車の計画は大幅に変更になりました。
 小淵沢発車。ハイブリッドカーはディーゼルエンジンの音が一段と高くなり、黒い排気煙を黙々と巻き上げて加速して行きました。これがクリーンシステム?
と疑いたくなる状況で、エンジン音も結構賑やかでした。
 

 中央線と離れループを描いて進路を東にとり、八ヶ岳の南麓を走り始めます。結構な速度です。我が家が近づいてきます。見慣れた踏切を過ぎて木立の中の近所の家が見えました。
 視界がぱっと開けて、その向こうに我が家がありました。一瞬の通過でした。意外とあっさりの出来事で、しげしげと家の様子を探ることは出来ませんでした。家からだと結構車内の乗客も見えたりするのですが、プライバシーはちゃんとたもたたれるようで一安心。
 列車はその後緑の林の中を進んで行きました。時々開ける高原の景色。まあスイスの山間いを走る鉄道に乗ってるような雰囲気も味わえるのでした。
 
 清里到着。駅にはC56が静態保存されてました。いつの日か庭先走る日が来るのでしょうかね。
 駅前のiで情報収集。ちょうど清里ピクニックバスとか言うのが出るところで、美し森方面へ行くというので思わず乗ってしまいました。
 で、ここからが今日の行き当たりばったりハイキングが始まりました。
 美し森の駐車場でバスを降り、一路展望台を目指して昇ってみます。相変わらずの快晴、結局この日は一日快晴でした。


 御座山辺りから金峰、茅が岳、富士山(は霞んで見えず)南アルプスと広々とした展望が広がり、もちろん権現から赤岳へ続く八ヶ岳もパノラマで続きます。すばらしい景色の中に、ポツポツとアイスの看板。
 興ざめだ止めてくれ!と叫びながら展望台に着いたとたん、手にはアイスを握ってました。
 さあここで作戦会議。まだお弁当を食べるには早い時間だし、このまま清里へ戻って脳がない・・・ここは当然、天女山を目指すしかない!と言う事になり、急遽予期せぬトレッキングが始まりました。
 心地よい樹林帯の山道を暫く進んで羽衣池へ。池は草が生い茂って水面がほとんど見えない状態でした。雨があれほど降ってるのにね。


 再び樹林帯を抜けて行くと林道に出ました。ここに立派な天女山への道標がありました。指している方向を疑うことなく林道をてくてく歩き始めました。単調な林道を黙々と歩きます。くねくねと山肌を這うように林道は高見を目指します。
 暫く行くうちにおかしな事に気がつき始めました。誰一人すれ違わないのです。標識もないのです。こんなメジャーな観光地のコースにしてはおかしいな・・・と気づき始める頃、林道の終点、砂防工事の現場に出ました。
 折からお盆休みで誰もいません。誰かいればここで答えが出たのですが。所々にあるペンキ印(これが却って曲者だった)を頼りに沢沿いの道に入りました。枯れた大きな沢からペンキは樹間のクマザサの道に変化しました。
 踏み跡がクマザサに覆い尽くされる様になって、いよいよおかしいと感じました。ここで大事にしまっておいた地図と高度計を取り出しました。
 高度計は1700m以上を指しています。地図をみると例の道標のあった所から長い林道が谷沿いに延びています。その先端の上には出合小屋とかかれた小屋のマーク。そういえばさっき小さな小屋の標識があったような。
 ここで初めてミスコースに気がつきました。歩かなくて良い林道を小一時間上ってしまったのです。まあ明るい谷でお弁当には最適なので、気を取り直して腹ごしらえの大休止をとりました。


 小淵沢名物高原弁当はボリュームたっぷり、なかなかのお味でした。中央線でこちらにお越しの折は是非お試しください。
 腹ごしらえを済ませ、とっとと林道を引き返しました。下って見ると結構な勾配です。あー余分な体力を消耗したな、でもダイエット効果大か、と自己満足でミスを打ち消そうとしました。
 同じようにミスコースする人が多いらしく、数人とすれ違いました。気になるので、「天女山へ?」と声をかけました。案の定ミスコース、この先は何もないですよとUターンを促します。
 でも一人声を掛けない人がいたな、あの人そのまま帰って来なかったらどうしよう、と変な責任感が襲います。まあしっかり装備の人だったから、と自問自答で忘れることにしました。
 最初の林道に出てきたところに戻りました。よく見ると林道から右方向に山道があります。指導標はその分岐に立ってます。でもどう見ても指しているのは林道本線。もっとはっきり方向を示せ!
 でも大体の人はそっちへ行ってるので、責められるのは私ですね。
 やっと本来の道に戻り、谷を渡って一登りしたところで、目の前が大きく開けました。牧場です。


 いやースイスですねここは。牛ものんびりと草をはんでいます。広々とした牧草地、背後に聳える赤岳の雄々しい姿、絵になります。なんだかとても得した気分です。


 牛さんたちと交流するトレールはしばらく続き、やがて再び樹林帯へ入りました。
 その後見晴らしの良い展望台を過ぎ、最後の樹林帯の階段を一がんばりで最終目的地の天女山到着。
 天女山はすぐそばまで車道があり、展望もほとんど無いので山としての魅力はいまいちです。
 ここからとっとと大泉を目指します。天女山を下り、車道をせっせと下ります。
 柳生さんのお店は大盛況です。我が家の庭木を植えてもらった植木屋さんの前を通ります。
 車道歩きにうんざりする頃やっと大泉駅着。運良く臨時が来るようです。
 
 ホームに入ってきたのはまたまたE200系ハイブリッド。車内はお盆休み最終日で結構な混雑でした。進行方向右側のドアの前に陣取り、再び我が家を車窓から眺めることになりました。
 今度も一瞬。いつもお留守番の時には窓から外を眺めている愛犬の姿を確認することは出来ませんでした。
 ほんの一駅小海線に乗るつもりで出かけて散歩が、5時間もしっかり歩くことになりました。しかしあまり期待していなかった観光地周辺のトレッキングコースも、なかなか面白いことを発見出来た一日でした。
 今度は秋の紅葉の時期に近所の友人も誘って来ることにしましょう。

2 Comments

  1. チェルト

    SECRET: 0
    PASS: 77657a6a6a755730714775485a62527765635652484d6642483774476c5267442c420a9918c611437eb10f613883636453ee48464dd3cb4df90a1f1ed58d05b9
    チェルトです。
    なんだかとっても良い一日を過ごされたようですね。。。
    小渕沢と言えば、「元気甲斐」というたしか・・愛川欽也だったかな・・が企画したお弁当が有りましたが、まだあるのでしょうか?
    発売当時結構人気があり、私も食べた記憶が有ります。
    ミスコースが良いわけではありませんが、天候に恵まれ「ミス」以上の収穫が有ったのではないでしょうか?
    小海線全線に乗るのも楽しいでしょうね。
    では・・・

  2. ugc

    SECRET: 0
    PASS: 784c4d5466303372546e714f3258743252365475577834734844595978653156e8092c428f79837a3ceff89ff8058950a52e98416ca3d73c2dfd53109e6b37ff
    元気甲斐は健在のようです。
    発売したてに食べたことがあります。美味しかったですが、値段もじゅうぶんおいしい値段でしたね。
    小海線沿線はいろいろ楽しめるところが沢山ありますね。季節を変えて楽しんで見たいと思います。

コメントを残す

Your email address will not be published.
Required fields are marked:*

*