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本焼き

しばらく振りの更新です。いろいろバタバタしてました。

陶芸の方はそこそこ順調に推移しています。
土を捏ねて形を作る事には慣れて来ましたが、最後の仕上げ「釉薬掛け」には相変わらず苦労させられてます。

そうこうしているうちに3回目の本焼きです。
今回の本焼きから作業のメンバーに加わり、実際に火が入る様子を見る事ができました。

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我が陶芸部が使う窯は灯油です。
湯飲みなら何百個も楽に入るかなり大型の窯です。プロ以外のホビー用途としては山梨でもトップクラスの規模らしいです。

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熱源の灯油バーナーです。ブロアー付きの協力なトーチで窯に炎を送り込みます。
このバーナー4基で窯に万遍なく炎熱を供給するのです。

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女性陣が9時から焚き始めた窯の温度は、男性陣が引き継いだ夕方18時ではまだ700度弱。
火力を調整しながら一定の上昇率を維持し、夜中に所定の1230度に到達する様に見守ります。
何ヶ所かにある覗き穴から窯の内部を見る事が出来ます。
700度とは言え内部は灼熱の世界です。

温度の経緯に気を使いながら夜はどんどん更けて行きます。
そして温度計の表示が1000度を超えました。
ここから作業が慌ただしくなります。

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今回の本焼きは還元焼成なのです。
ここまでは普通の燃焼で窯の温度を上げて来ましたが(酸化焼成)ここからは還元焼成にチェンジします。
煙突のダンパーを閉じ気味にし、バーナーの風量を押さえ酸素の取り込みを減らします。
言って見れば不完全燃焼を強制的に作り出すのです。
不完全燃焼で出た一酸化炭素が、釉薬などに含まれている炭素を求めて反応します。
普通に酸素を供給して焼いた場合とは異なる焼き上がりを見せる事になるのです。

窯の覗き穴を開くと、不完全燃焼のガスが外気の酸素を求めて吹き出し、強烈な炎はジェット戦闘機のアフターバーナーみたいです。

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不完全燃焼のガスは黒煙となり窯の内部をさまよいながら釉薬の酸素を得て再び炎となって輝きだしますが、酸素を取り込みきれずそのまま煙突から排出された黒煙は、煙突の出口で大量の酸素と出会い激しく燃え上がります。
猛烈な黒煙と炎に驚いて通報され、消防が出動した事もあったようです。
まあ都会でこんな事は出来ないのは事実です。

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1000度から還元焼成に切り替え、あれこれ火力と空気を調整しながら、深夜に目的の1230度に到達。
ここからは最後の難関「ねらし」に入ります。
ねらしとは目的の最高温度を維持しつつ一定時間窯の温度を維持する事です。
上げたり下げたりするのは思った程困難な作業ではありませんが、一定温度でしかも還元状態で維持するのは大変です。
ダンパーやバーナーの微調整が必要です。
私は初心者ですからただ見ているだけ。先輩諸氏は窯のまわりを動き回ってバーナーの調整に大忙しです。

小一時間のねらしが完了。
窯の消火。
本焼き作業が終了しました。
時間はとっくに次の日に突入。眠い。

窯はそのままにして徐冷、窯出しは6日後です。
さあどんな顔して窯から出て来るでしょう。
心配でもあり、楽しみでもあります。

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