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イタリアの山旅2017編 その3 まるで月世界のピッツボエ

7月3日

天気がさらに安定してきたようです。
早朝は快晴です。
気持ちの良い朝、食欲も旺盛でついついビュッフェの食材をお皿いっぱい盛ってしまいます。

最初のうちは物珍しさと賤しさが勝り、腹一杯食べてました。
妻はそれが裏目に出て午前中調子悪いと我儘なぼやき。
滞在を重ねるうち、次第に適量がお皿に並べられました。

本日目指すはピッツ・ボエ。
福岡のNさんたちが数日前に向かったときは一面の雪で真っ白。
ロープウエイ山頂駅から即Uターンしたそうです。
昨日あたりから気温も上がり、日差しもあります。
雪は消えていると踏んで出かけてみることになりました。
Nさん達ご一行も一緒です。

ピッツ・ボエへのルートはポルドイ峠が起点になります。
ポルドイ峠まではこの時期カナツェイ乗り換えのバス便もあります。
カナツェイでゴンドラを乗り継いでベルベデーレ方面から向かうルートも考えられます。
我々は一番効率の良さそうなアルバからCOL DEI ROSSIへのロープウエイを使うことにしました。
Nさんのアイデアです。
まずペニア行きのバスに乗ります。
この路線はマルモラーダ方面へのルートでこの時期とても混みます。
特にマルモラーダのベースフェダイア湖行きはめちゃ混みです。
PENIA止まりのバスに乗るのが正解です。
ペニアの一つ手前アルバの町外れのロープウエイの山麓駅で下車。
ここから一気にCOL DEI ROSSIへ。

夏休みということで学生さんが大挙して乗ってきました。
通勤地獄を思い出します。

着いたCOL DEI ROSSIは眺めの良い丘の上。
ポルドイ峠方面のセラ山群、尾根を挟んで反対側のマルモラーダ方面を望む大絶景が開けてました。

これから向かうピッツ・ボエが雄大に聳えてます。
セラの山々は石灰岩のテーブルマウンテン。ところどころピークがあったりユニークな山容が独特です。
ベルベデーレ小屋を横目にお花畑の草原の道をポルドイ峠へ一度下ります。
ポルドイ方面からもたくさんハイカーが登ってきます。

ドロミーティ街道の要衝、ポルドイ峠は訪れる人も多く、乗用車、バス、バイク、そして自転車がひっきりなしに行き交います。
バイクの爆音が耳につくようになると峠に到着。
いきなり観光地に放り出されました。

ここでサス・ポルドイ行きのロープウエイに乗ります。
2239mから2950mへ一気に駆け上がります。
山頂付近も観光地。
誰でもここへ来ることができます。
日本からのツアーの方も見かけました。


山頂から広がる景色は別世界です。
石灰岩だらけの荒涼とした台地が広がりまるで月世界。
広大な岩原の南に目指すボエの円錐が鎮座してました。

ポルドイ山から一度小屋のある峠へ下ります。

ドロミーティの山の特徴ですが、スケール感というか距離感が狂います。
大きく開けた景色の中では目標物までの目測が実際よりも小さく感じます。
見た目1時間と踏んだ目標まで1.5倍ほどかかることがザラにあるのです。
ずっと目の前に見えているボエの山頂はなかなか近づいてきません。

荒涼とした岩原からいよいよ山頂めがけて登りが始まりました。
久しぶりの好天で一気に登山者がやってきて、まるで富士登山のような行列ができました。

一段登って再び広い岩の原へ。
もうそこまで山頂が来ているのですが、なかなか近づきません。
最後の急登が目の前に立ちはだかってます。


試練の岩場が始まりました。
明るく開放的で快適な岩場です。
足場もロープもしっかりしていて危険は感じません。
それでも慣れない妻はおっかなびっくり。

少々渋滞気味です。
下りの人に待ってもらってなんとか難所を乗り切りました。

まだ気の抜けない登りは続きますが、もうひと頑張り。

やっと頂上が手の届くところに現れてきました。
ずっと見えていた山頂の小屋がすぐそこにあります。
多くの登山者で賑わう山頂にたどり着くことができました。

山頂からは360度の展望が開けてます。
ドロミーティの主峰マルモラーダを筆頭に、西ドロミーティの山々が峰を連ねています。
山頂の小屋で昼休憩。
テーブルを探していると、日本の方の先客がいます。
欧州に滞在してる方達でした。ご主人は現地の方。
スープがオススメとのことで早速注文。

野菜たっぷりのトマトスープ。ミネストローネです。
山小屋の料理は馬鹿にできません。
このスープもなかなかのお味でした。

3152mの大展望を堪能した後、下山開始。
登ってきたルートの反対方面に下ります。
ボエ小屋のある台地を目指します。
こちらの方が岩場も少なく楽なルートですが、それでも急な傾斜の下山道が続きました。

階段状の急傾斜を一気に下り、再び月面の世界に。
ボエ小屋まで行かず、折り返しのトラバースルートに入り、ポルドイ山のロープウエイに戻ります。

峠の小屋が見えてくれば後一登り。
天候に恵まれ快適な山上散策ができました。
白い石灰岩、抜けるような青空、残念ながら緑はありませんが、ドロミーティらしい景観を心ゆくまで楽しむことができました。

疲れた足に最後の登りはきついです。
徐々に観光客ともすれ違うようになり、小広い山頂展望台に到着。
昨年歩いたガルデナ谷がすぐそこです。
懐かしい山々を確認。
今年もやって来たんだなあと実感しました。

ポルドイ峠へ降り、ガルディナ方面行きのSADバスで少し下のPECOLで下車。
ゴンドラでカナツェイに下りました。

ファッサ谷上流部で最大の町カナツェイ。
バカンスシーズンで人も多くお店も賑わってました。

夕方ですがちょっと寄り道しました。
カナツェイと並んで大きな町カンピテッロ。
ここからロデッラの肩へのロープウエイに乗りドロミーティの大展望を眺めに行きます。

展望台では目の前に、去年行ったサッソルンゴが聳え立ちます。
目を移せば先ほど登ったピッツ・ボエ、そして多分向かうであろうマルモラーダ・・・

雄大なドロミーティの山々を眺めながら、充実した1日を振り返っていました。

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