© 2011 suzuki@ugc. All rights reserved.

オートグラフを聴きに

 友人がTANNOYのAutographという大型のスピーカーを、なんとDIYしています。苦節2年?やっと音が出せるまでにこぎ着けたと聞き、彼がSP作りをしている茅野の別荘へお伺いしました。

 まだ表面の仕上げもなく、バーチの白木のままでサランネットもついていませんが、人の背丈ほどあろうかと言う箱が大迫力で鎮座していました。このスピーカーは歴史的な名品で、今や完成品を手に入れるのは困難です。あっても非常に高価。彼は大昔にこれ用のユニットを買っていて、いつかは箱を作ろうと画策していたと言います。それから長い年月が経ち、いまその姿がここに蘇ったのです。
少ない資料を元に複雑なバックロードホーンの構造を3DCADを駆使して図面化し、3次元的複雑怪奇なパーツを切り出し組み立ててここに姿を現したのです。彼の熱意には感激し脱帽します。

 何枚か自分のリファレンスCDを持参して聴いてみる事にしました。やはり彼の自作の真空管アンプ(我が家にあるのと同じ回路です)で音を出してみました。
 第一印象・・・圧倒的なスケール感です。音の波が体全体を柔らかく包み込んでくれます。刺激は一切ありません。15インチコアキシャルユニット一発というシンプルな構造、大口径から出る低音を長くて容量たっぷりのバックロードホーンがおおらかに響き上げます。チャイコフスキーの「1812年」の大砲の音がお腹にずしんと響きました。
 全体的には優しい音です。アンプとの相性のせいかもしれませんが、ギスギスしてクリアすぎる現代の高分解能システムには無い安らぎがあります。フルオケやストリングスの再生は見事です。でも小編成のJAZZの場合、少しおとなしすぎる印象がありました。カラッとした空気感のJBLとは対照的にしっとりした落ち着きがそう感じさせました。

 まだサランネットなどもついてませんので完成ではないと思います。完璧に仕上がった時、もう一度お邪魔して一日中心行くまで音の海で溺れてみたいと思います。

2 Comments

  1. 掛川 尚幸

    その後、オートグラフは如何でしょうか?
    小生、縁あって30数年前にoriginalの中古を手に入れ、悪戦苦闘しつつ、最近やっと楽しめるようになってきました。群馬の山間地で自作の真空管アンプで聴いております。よろしかったら、お便り戴けますと嬉しいです。

    • suzuki@ugc

      オートグラフはほぼ完成のご様子です。グリルが出来れば完璧ですね。
      詳しい様子はこちらをご覧下さい。
      http://jn1akc.dtiblog.com/
      コメントを差し上げると喜ばれると思います。
      寒いですね、お風邪など召さぬ様ご自愛ください。

コメントを残す

Your email address will not be published.
Required fields are marked:*

*