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ちょっとミーハーでしたが

今年の後半、山梨県の大きな話題が「大村智先生のノーベル賞受賞」でした。
先生はお隣の韮崎市のご出身。
地元は受賞フィーバーで大盛り上がりです。

大村先生は地元に大きな文化の種を撒かれていました。
先生が長年かけて収集した絵画や陶磁器など美術品を、それを鑑賞する喜びを、多くの人々ともともに分かち合いたい、というお心から美術館を開きました。
富士や南アルプス、八ケ岳などを一望できる韮崎の丘の上に平成19年に開館しました。
その美術館は翌年平成20年に韮崎市に寄贈されたのです。

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先生は多忙を極める研究の合間に、美術品を鑑賞することが精神的に大きな支えになったとお聞きします。
「全ての芸術は人の心を楽しませ清くし、高めるために役立つべきものである」という山本周五郎が作品の中で語った言葉に感銘を受けたそうです。
美術品と人の心との関わりの大切さを思うが故に私財を投げ打って、多くの人々に素晴らしい美術品の鑑賞の機会を与えてくれたのです。

訪れた日は平日。時間は開館ちょっと前の9時50分頃。
にもかかわらず、すでに多くの人が開館を待っていました。

こじんまりした瀟洒な作りの美術館は沢山の鑑賞者ですぐに一杯になりました。
入場料は510円。
小さな地方都市の美術館ですから「安い」です。
でもそのコストパフォーマンスの高さに後ほど驚かせれる事になります。

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展示室は2フロアーです。
1階の展示室には日本を代表する作家たちの絵画が並べられていました。
洋画会の重鎮の作品、日本画の巨匠の作品も多数展示されています。
大村先生は女子美との関わりが深く女流作家の展示に力を入れておられるようです。
野口小蘋、上村松園、片岡球子、など女流日本画家の貴重な作品や、他ではあまり見る事が出来ない女流美術家の作品の展示も特徴的です。

2階は2部屋に分かれていて一部屋は洋画家鈴木信太郎氏の特別展示です。
大村先生は一際彼の絵に思い入れがあったらしく、かなりの数の作品を所蔵していたことが伺えます。

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もう一部屋には陶磁器が展示されていました。
私はその作品を見てびっくり。
なんと民芸派の巨匠の作品が鎮座してました。
バーナードリーチ、浜田庄司、島岡達三・・・。
特に気を惹いたのは島岡達三の作品でした。

このところ下手の横好きで始めた陶芸のアイデアを充電するために、数日前に巨匠の作品集を眺めていたばかりだからです。
まさか韮崎でいきなり本物に出会うとは・・・
運命の出会い、目にしっかりと彼の作風を焼き付けて来ました。

狭い館内ですが中身の濃さに驚きました。
噂には聞いてましたが訪れるのは初めてでした。
展示の作品も素直に鑑賞出来る?好みに合うものが多く、押し付けがましさも無く、好感度大の美術館でした。
510円は安く、遠くから来ても損は無いと思います。
直ぐ隣には温泉もありますから、ゆっくり山梨の山里を楽しんで頂けます。
「わに塚の桜」もすぐ近く、春に訪れるも良いですね。

ノーベル賞で話題沸騰の大村先生。
下衆な勘ぐりを入れる輩も多いかと思いますが、彼のお金の使い方に感服です。
人々の命を救うために貢献し結果裕福に、しかし人々に心の安らぎを提供するためにその利益を還元。
お金の使い方を考えさせられる美術館でもありました。

心を清らかに休ませたところでお腹が空いて来ました。
ちょっと足を伸ばして甲府へ。

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もちろんお目当ては「若鮨」。
握りランチ1080円。
上手にお金を使いました。

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