イタリアの食後酒にグラッパというお酒があります。昔イタリアに仕事で何回か行ったときに、現地で生活していたKさんは、ぐいっと美味しそうに飲んでいたものです。
このグラッパはワインの絞りかすである皮が原料で、本来はそんなに上等なお酒ではなくて労働者の飲む安酒だったようです。こちらで言えばカストリと言ったところですね。でも日本の焼酎が吟味され、美味しくなり、それなりのお酒として認められたように、イタリア版のカストリも美味しいお酒として進化しているようです。
勝沼にある白百合醸造では、日本で初めてグラッパの蒸留をはじめています。そこのイベントとして蒸留所の見学会があり、ご近所さんお誘いあわせて出かけてきました。
その蒸留所はレンガ作りのアーチの扉を開けたところにありました。このレンガ社長の趣味?で、なんとオーストリアの古い建物を解体した材料を輸入してこしらえてものだそうです。職人も現地から来てアーチを組み立てたそうです。そう言えば彼の国に、火作りの看板をわざわざ注文して作らせた人がいました。この蒸留所の社長とその彼がダブって見えました。
グラッパの蒸留器はイタリアから来ていました。細かな技術的なレクチャーも受けましたがここで紹介は省きます。500Kgの原料から50Lのグラッパがとれるようです。
機械から出てきたばかりの70度以上のグラッパを口に含んでみました。火を付ければ燃える純度のアルコールですから、口に含んだ瞬間強烈な刺激があります。しかし思ったほど暴力的なものではなく、実際は40度くらいに調整されるので、ちゃんと飲みやすくなるようです。残念がら今回はドライバーなので、口に含むだけでおしまいで、飲んだからどうなるか?はお預けでした。
今回のグラッパ蒸留見学には楽しいおまけが付いてました。ワイナリーに隣接する桃園で、真っ盛りの桃の花を愛でながらお弁当が頂けるのです。
内容はこれです。花曇りですが風はほとんど無くて気温も上がり絶好のお花見日和。美味しいお弁当とワイン(私はブドウジュース)をたらふく頂いて、とても満足のひとときを過ごしました。
お土産に国産のグラッパを仕入れ、一面桃色のカーペットの一宮桃源郷に寄り道してから小淵沢に帰ってきました。