部屋の片付けをしていたら大昔の写真が出てきました。プリントではなくカラースライドです。明かりに透かしてみると、懐かしいものが写ってました。
四式戦闘機、通称「疾風」です。これを撮ったのは40年ほど前でしょうか、アメリカから里帰りした機体が、実際に飛行すると言うので、入間の航空自衛隊の基地までのこのこ出かけてきたのです。航空祭という今でも行われているイベントの目玉として、この旧日本軍の飛行機がやって来たのでした。
池袋からはるばる稲荷山公園まで、その当時は随分遠くへ来たものだと思ってましたが、まさかこのすぐ近所に家を持つことになろうとは夢にも思ってませんでした。まあ、そのあと山へ頻繁に行きだして、たまに飯能経由で奥秩父や奥武蔵に繰り出すときも、この辺りまで来るともう随分山に入ってきたように感じて、その時もまさかこの辺りに住むとは毛頭思ってなかったのでした。
まあそんなことはどうでも、好奇心旺盛な青年はボロカメラをぶら下げて飛行場にやって来たのです。そしてエプロンに鎮座まします「疾風」にご対面です。
と改めて写真を見ながらこの記事を書いているので、疾風と断定していますが、どうもあやふやな自分の記憶では「ゼロ戦」が飛んだ!と思っていたような節があります。飛行機は大好きだったのに、ゼロ戦と疾風を間違えるはずは無いのですが、スキャンして取り込んだ写真をよく見るとおかしいのです。
正面から見た写真には明らかに4枚翔のプロペラが写ってます。いくら適当なアメリカ人がレストアしたとは言え3枚のペラを4枚にするとは、けしからん、と憤慨しながら、もう一度横からの写真を見てみると、明らかに時代的にあたらしいプロフィールが感じ取れます。キャノピーの形も古さを感じるゼロ戦のとは違っています。垂直尾翼の形が決定的に異なり、幅が広く丸みを帯びてます。全体的にゼロ戦よりも空力的に優れた機体に見えます。
あてにならないさび付いた記憶を捨てて、ネットで早速検索してみました。出てきました。73年の航空ショーで飛行した・・・と記録が残ってました。もちろんゼロ戦ではなく、疾風でした。
上の2枚が悠々と飛翔する疾風です。現代のジェット戦闘機とは異次元の世界、超低空をゆっくりと飛んでいました。今に落ちそうな低空をお腹を見せながら飛んでいる姿、何となく記憶が蘇ってきました。お腹に響く重低音の爆音が迫力をさらにアップ、プロペラの後流はあたかもそよ風のように滑走路に吹き渡っていました。
アメリカやイギリスなどでは今でも第二次世界大戦に活躍した航空機が動態保存されているようです。戦争を礼賛するつもりは微塵もありませんが、いみじくも戦争が生んだ技術の結晶は、メカニズム好きにとって気になる存在であることは確かです。
古い貴重な写真・・・かどうかわかりませんが、懐かしい写真が昔を少し蘇らせてくれました。
《余談》この年すでに結婚して娘が生まれました。一人で物好きにもノコノコ出かけていった私を、妻は全然覚えていないようです。私もまだ独身だったと調べて見るまで思い込んでました。
教訓 記憶は定期的にリフレッシュして正しく収納しておきましょう。
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疾風、いいですね。確か嵐山美術館においてあったと思いますが、それは自分も見たことがあります。飛んでいるのは見たことがありませんね。さぞや興奮されたことでしょうね。海軍機のほうが贔屓なのですが、先読みコンセプトの2式戦とこの4式戦はちょっと別格ですね。
プロペラ機大好きな LKF
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LKFさん
わたしも海軍機が好みだったのですが、デザインとして陸軍機は垢抜けたバタ臭さ?がありましたね。
最近は国内じゃ飛ぶ姿見られなくて残念です。
聞いた話ですが、ロシアで零戦の1/1レプリカがあるそうな。調べて見よう。
隠れWW2航空機Fan UGC