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SWISS紀行2007 今日の1枚(7) WCの謎

Wc_2 いきなり妙な写真で失礼します。食事しながら見ている方がいたらお詫びいたします。
 今日の一枚は所変われば…文化も変わると言うお粗末ながらも目から鱗の一説。
 外国、それも欧米に行くと男子用の小便器の高さの違いに戸惑う事があります。平均的日本男子の標準体型を自認する私にとって、いつもその便器の高さは癪の種でした。受けているボウルの高さが尋常ではなく、引きずり出したそれが、便器の縁につかないように、捧げ持ちながら用をたします。時には爪先立って、不安定な格好を強いられたりします。まったく日本人に対して嫌がらせとしか思えないのです。
 ある時出張で英国はロンドンの有名なフラワーショーを視察したときがあります。屋外の展示会なので当然トイレが不足し、仮設のものが置かれていました。日本ならば足元に溝を切ったような構造が普通ですが、なんと素麺流しの樋よろしく、丁度腰の下くらいの位置に、水路を形成するための雨樋の親分のような物がしつらえてありました。それは長さが数メートルもあり、一度に数十人をこなせるような代物です。横一列に仕切りも無く並んだ紳士が、一斉にむき出しになったホースから放水しています。
 この時も惨めな思いをしました。体格の良い彼らはこともなげに用を済まします。哀れな東洋人は、精一杯それを持ち上げて何とか樋に水滴を投入します。脚も、どこかもミニマムサイズの苦痛をいやと言うほど味わったのでした。
 実はそんなトラウマを持つ西洋のトイレの秘めたる謎が今回解けたのです。写真では良くわかりませんが、彼の地のトイレの足元は、どこのトイレを覗いてもキレイなのです。余分な水溜りも、縮れた黒いものも目立ちません。清潔で気持ちいいなーと、ほっと一息ついているときに、ある事に気がついたのです。
 そうです、便器が高い位置にあるのは、日本人に対しての嫌がらせではなかったのです。つまり放水点に近い位置に大きな受け皿、つまり便器を置くことで、水滴をほとんど外に漏らさないようにしているのです。もしも不注意で放物線が中心からそれても、余程のことでない限り、きちんと受け皿の中に納まるのです。へそ曲がりが、意識的に横を向きながらする以外、まずもって床を濡らすことは無いのです。日本の標準的な便器は、受け皿が床面ないしは床面に近い位置にあります。標的までの距離が長く、下手な射手は的を外して床を濡らすのです。的は遠いより近いほうが当たるのは当然の理屈です。
 でもこの考察は的を得てないかも知れません。しかし確かに足元がきれいさっぱりのトイレが、西洋に多いのは確かです。今後彼の地で用を足される機会があれば、是非私の発見した新理論を検証していただきたいと思います。

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