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SWISS紀行2007 その4

2007年6月23日(土) 
第3日目 インターラーケン–>ラウターブルンネン–>アルメントフーベル–>ラウターブルンネン–>クライネシャイデック–>グリンデルワルト–>インターラーケン

 今朝の天気も昨日と同じような感じだ。それまで降った水分が蒸発、この時期としては低めの気温。昨日よりはずっと良くなりそうだが、それでもまだ不安定な天気であることは間違いない。早めに宿を出て、天気が良いうちに行動するのが一番だ。
 朝食を摂りに食堂に行くと、今日も団体さんで満員。中国の人たちも一杯。

 今日はアルメントフーベルに出かける事にした。古いケーブルカーから新式のロープウエイに架け替えが行われていたグリュッチュアルプへの路線が、昨年末から営業を再開しているとの事で、それに乗って見たかった。

 

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さっさと食事を済ませて駅に。乗ろうと思った列車に一足違いで乗れなかった。そこへビルダースビル行きのバスがちょうど駅前に入ってきた。思い出した。このバスはWEST駅とビルダースビルをショートカットで結んでいるのだ。結構使えるバスなのだ。
 案の定ビルダースビルにはOST駅からのBOBよりも早く着いた。結局予定通りの電車をキャッチできた。
 ビルダースビルには懐かしいシーニゲプラッテへの登山鉄道が停まっていた。昨日行ったロートホルンも楽しい登山鉄道だが、この列車も素晴らしい。何せユングフラウ3山を真正面から谷を隔てて眺められるのだ。

Pc3_6498OST駅から来たBOBでラウターブルンネンへ。駅前から例のシュタウフバッハがよく見える。
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 駅の向かいのケーブル乗り場の建物は変わっていなかったが、中身は最新のロープウエイに変わっている。BLMもスイスパス有効なのでフリーパスだ。新しいゴンドラは猛スピード(本当速いですよ!)で急斜面に沿って駆け上がる。地面の旧軌道は撤去作業中だ。多分数年後には終了し、数十年後には何もなかったように自然が復帰することであろう。
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 BLMを中間の駅ヴィンターエッグで降りて、ここから直接アルメントフーベルに向かう。
 MTBのコースにも指定されている立派な林道だが、牛さんたちの通勤路?も供用しているので少々注意が必要だ。落し物があちこちに散乱、よそ見は厳禁だ。
 天気は良くなってきて、アイガー方面の眺めも良好だ。しかしガスの動きが激しく、アイガーの北壁にまとわり付くガスが次第に塊になって、やがて山頂付近まで覆い隠そうと期を伺っている。でも基本的には上天気で、途中すれ違った犬を連れた紳士が「良い天気ですね、明日はもっと良くなりますよ」と声をかけてくれた。でも明日は山には来れないのですよ。残念!
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 樹林帯の道がやがて広々としたアルプの中の道に変わる。谷を隔てたユングフラウ連山が大きく立ちはだかる。ミューレンやアルメントフーベルの魅力はこの迫力ある眺めだ。
 この一帯は放牧地区で牛がだんだん増えてきた。雄大なアルプスをバックに悠々と草を食べている。黄色い高山植物も、芝のような牧草も牛にとっては無関係。日本の国立公園内でこんな事考えられない。高山植物の一枝たりとも折ったりしたら、すぐにレンジャーに拡声器で怒鳴られる。
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 道に牛さんの落し物が増えてきた。牛さんの人口(牛口?)も増えてきて、道路をふさぐ牛や、子連れで歩く牛も出てきて賑やかだ。林道が二股に分かれる。尾根の上に牛小屋が見える。直進の道にはロープが張られ、赤いしるしの布片がぶら下がっている。こっちは行けないと判断して牛小屋方面に向かう。道は大部分が牛糞工場状態、牛の間をすり抜けるように進む。どうも怪しい。やっぱり怪しい。この道は牧場専用のようだ。さっきの分岐に戻って良く布切れを見たら、赤と白の塗り分けが施されている。そうだこれは岩になどに良くマーキングされているコースを印す案内標識じゃないか。ロープは牛がそちらへ行かないように張ってあるわけで、人間はそれを越えてよいのだ。
 すっきりしたところでトレッキング再開。これから少し登りが続く。明るい谷を横切って、しばし樹林の中を行く。やがてもう一度沢を横切って一登りでアルメントフーベルに到着だ。
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 アイガー方面の眺めは山肌にまとわりついた雲のせいで、今ひとつすっきりしないが、それでも圧倒的な存在感で迫っていた。ケーブルの山頂駅のテラスで昼食をすまし、いよいよ今日のハイライト、お花畑をミューレンに下る事にする。
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お花畑をのんびりと下る。日本の白馬や立山などのお花畑と、スイスアルプスのお花畑は微妙に景色が違う。ある面白馬のお花畑は凄い。シーズンには一帯が植物図鑑になる。お花のデパート、満艦飾だ。
 で、スイスは。はっきり言って渋い。色合いもそうだが、品種はそう多くはない。でもどっこいスケールが大きい。斜面全体が特定の花で覆いつくされると、それはもう表現できない幻想的な風景になる。本場のアルプスはどこまでもでかい。
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 のんびりと花の斜面を下り、ミューレンへ下りてきた。ここはさすがに観光地、人が多い。土産物屋も賑やかで、駅前のカフェも満席だ。
 ミューレンの街もそれなりに風情があるが、それは朝晩の人の少ない時が良い。やはり泊まってみないと本当の良さは実感できない。
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ミューレンからBLMで再度ラウターブルンネンへ。車内が結構混んでいたので運転席の横のエキストラシートに座る。本来なら締め出されそうな場所だが、ちゃんと折りたたみの椅子が仕掛けられ、2人座ることが出来る。これはマニアにはたまらないだろうね。「ほら見てご覧。スイスはね電車もハンドルで操作するんだよ。カーブが来たらチャンとハンドル切るんだよ」って隣の妻に話したら本気にした。
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新型のWABは大きなドアで一度にたくさんの人を乗降させられる。都会の通勤電車並みだ。ハイシーズンの混雑対応?
 途中のヴェンゲンは高級リゾートだ。この地域は電気自動車と馬車しか走らないと聞くが、写真にあるように駅前には普通のハイエースらしき車があった。
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 WABヴェンゲンアルプ鉄道は軌道幅がたしか800mmだ。1mのBOBと乗り入れが出来ない。ラウターブルンネンとグリンデルワルトの間を結んでいる。スイスパスは使えないのでこの区間の切符を買った。もちろん1/2になる。1stは無い。
 WABの車両も交代が著しい。昔の丸っこいものから、角ばったスタイルの車両も導入されている。登山鉄道は古い形が良いなと言うのは勝手ですかね。

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 途中クライネシャイディックで乗り換える。クライネシャイデックも相変わらず喧騒の中だ。世界各国の人が集まっている。特に最近の経済事情を反映してか、中印の方が多いようだ。
 クライネシャイデックからアイガーの壁の下をグリンデルワルドに向かう。残念ながら壁はガスの向こうで何にも見えない。今回時間があったら北壁の取り付きまで行って、壁を触り、記念の石ころでも持って帰りたかったのだが、運悪く落石で命を落とす事もあり得るので、止めた。
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 グリンデルワルトも喧騒の中だった。まあ土産でもと思って街に繰り出したが、見覚えのあるロゴにびっくりした。モンベルだ。何故?と思ったが吸い寄せられるように店内へ。スイス限定の言葉にコロッとなってついつい買い物。MAMMUUTが欲しかったんじゃないのか!

 グリンデルワルトから定番の一等車貸切でインターラーケンへ戻った。
 夕食は妻のたっての希望のフォンデュにする。ガイドブックで一押しの店へ。日本人なので真っ先にそのセットを勧められる。もちろん「ハイ」
 結果は2連敗。塩味がきつく、下戸の夫婦にはきついワイン攻め。これでこの値段は少々?。名物に旨いものなし、なのか我々のチョイスがまずいのか、どっちにしてもガイドブックはあてにならないと言う教訓を得た。
続く

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