改造の手始めはAKI-DACの手直しです。
次ぎに来るトランス回路のインピーダンスがFETバッファとは異なるため、DACの出力部の電解コンデンサー(C5,C6)を220μFに変更します。
秋月のキットの基板はスルーホールタイプの積層基板です。
このスルーホールが曲者で、部品の交換が厄介です。両面に良く流れ込んだハンダが災いして、なかなか基板から外れてくれません。
基板のランドが大きく半田ごての熱を気持ちよく拡散します。なのでなおさらハンダの溶けが悪いのです。
どうにかコンデンサーを交換してDAC基板の準備が完了しました。
ハラワタ部分の新旧比較です。
右側がFET差動バッファの心臓部。
左側がトランス式の心臓部。
トランスが2個とフィルターなどのCRラグ基板1個のシンプルな構造です。
トランスで昇圧をするだけで電源は不要です。つまり省エネ。
トランスをアルミのLチャンネルでケースに固定します。
TK-2の取付はアダプターを介して行いますが、アダプターとトランスの結合が甘く、トランスがユラユラ揺れます。
気持ち悪いので機械的に安定する様、スポンジを間に入れて落ち着かせました。
入出力系とトランスを配線します。
平衡タイプですからホットとコールドを間違えない様につなぐ必要があります。
左右チャンネルとホット/コールドが入り乱れて頭の中も混乱します。
正確につなぎ終えたら完成です。
電源も無いのでスイッチオンでパー・・・と言う事はありません。
でも音が出ないとか、ノイズが大きい、歪みが出る・・・など悪い結果が出る可能性はあります。
まずはミニワッターとマックにつないで音出しです。
ちゃんと出ました。問題は無い様です。
肝心の音は?
ぺるけさん自身もおっしゃる様に、とてもナチュラルでおとなしい響きです。
がんがん乗り出してくる様な押し付けがましさはありません。
細かなニュアンスを忠実に伝えて来ます。
何も足さない、何も引かない・・・
どこかで聞いた文言が似合いそうなDACに仕上がったようです。