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ちょっと紀州へ Part2 タケノコ掘り

3日目は快晴で明けました。
さあ今日はタケノコ山へ筍掘りです。
早起きしてパンを流し込み、完全装備で合宿所を出ました。

桃山の南に連なる丘陵地帯に車が進んで行きます。
眼下に紀ノ川のゆったりした流れが広がります。
車はさらに山懐に。

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山間の集落を抜け、急な斜面のみかん畑が広がる山肌を、軽トラがやっと通れる狭くて急傾斜の農道を終点へ。
みかんや葡萄をかつて栽培していた畑ですが、近年栽培をやめているようで、少し荒れた果樹園が淋しげでした。

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目指す竹林は果樹園の最下部に広がります。
急な果樹園の最上部から最下部までモノレールで一気に下ります。
小さなエンジンが付いた動力部で荷物車を動かします。

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レールは一本。レールの下にラックが付いていて、動力部の歯車と噛み合って急な斜面での昇降を可能にします。
スイスの山岳鉄道と同じ仕組みです。ちょっと違うのは、レールを挟み込むようにラックが付いていることです。

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ちょっとしたアミューズメントパークのアトラクション的興奮を覚えながら、タケノコ山へ下って行きました。

タケノコ山は聞きしに勝る急斜面。竹や雑木があるおかげで辛うじて上り下りが出来ます。
竹は太く長い孟宗竹。いよいよ筍探しが始まります。
ところが・・・思わぬ伏兵が。
イノシシが山を荒らしています。あちこちに掘られて食い散らかされた跡が・・・
めげずに急な斜面に入ります。

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タケノコ発見!
少し地表に顔を出したタケノコを、慎重に掘り出します。
地面は細かな根に覆われ、鍬で掘り出すのに結構な時間と労力が要求されます。
最大の敵は急な斜面。足場がほとんど確保できません。疲れます。

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根が見えるところまで掘り進みます。
タケノコの全体像が見えてきたところで、鍬で切り出します。
これがまた大変。足場が定まらないので思ったところへ鍬を振り下ろす事が出来ません。

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幾度か的外れに鍬を打ち込んだのち、やっとタケノコを掘り出す事に成功しました。

何本か掘り出すうちに、なんとかコツを掴む事が出来ました。
グサッと一発でタケノコを切り出す事が出来た瞬間の快感も覚えました。

数時間急斜面で格闘、コンテナ数杯のタケノコを掘り出したところで山を後にしました。

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ベースキャンプに戻ったところで早速タケノコの処理を始めます。
タケノコは鮮度が命、すぐに皮を剥き水煮します。
皮を剥くと瑞々しいタケノコが姿を現します。ほんのり独特の香りが鼻をくすぐります。
先っぽの方を生のまま齧ります。採れたては柔らかくエグミも感じません。旨い!

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茹で上げは大きな羽釜を使いました。たっぷり水を張り、一気に茹で上げます。

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箸が楽に通るほどまで茹で上げたら、そのまま冷まします。灰などでの灰汁抜きは不要です。水で煮上げるだけです。採れたてだからこそですね。

タケノコの仕込みが済んだところで少し観光モードが入りました。
ベースキャンプの北東、紀ノ川をはさんで反対側の山にある根来寺へ向かいました。

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根来寺は新義真言宗の総本山、その昔は根来衆と呼ばれた僧兵集団を抱えた一大勢力を誇り、一大宗教都市を形成していたらしいです。
国宝の大塔が圧巻で、桜の時期は大層賑わいを見せるとの事です。

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根来寺のあとは一転して現代らしい観光スポットへ。
和歌山電鐵貴志川線貴志駅です。
猫のたまが駅長をしていると言う事で一躍有名になりました。
私も何度かTVで拝見、一度ご尊顔をと立ち寄って見たのですが・・・
残念なことに公休?らしく人影・・・猫影?が見当たりません。
新装なった猫型駅舎と、たまカフェをチラッと覗いて帰ってきました。

この日のイベントタケノコ掘りは無事終了。
急な斜面の上り下りと不安定な足場での慣れない力仕事で体が悲鳴を上げてます。
おかげで床に着くなり足早に眠りの底に落ちて行きました。