先日来作成して来たUSB-DACとFET差動ラインアンプが完成しました。
秋月の廉価な基板キットを使ったUSB-DACが右側のケースです。
基板類で箱が一杯のため電源は外付けになりました。
パネルのLEDは電源パイロットではなく、USB基板がPCから給電され認識された事を表すインジケータです。
ラインに出力するバッファアンプ付きですが、ボリュームコントロールは無いので、シンプルなパネルになりました。
背面のパネルはぎっちりと入出力のコネクタ類がつまってます。
左側がFET差動のライン・プリアンプです。
片チャンネルFET2石のシンプルなアンプです。トーンコントロールは無くツマミはボリュームのみとこれまたシンプルです。
さてこれらがPCオーディオの要になります。
PCオーディオって何?と言う話はネットで詳しく調べて頂くとして、かいつまんで言えばパソコンに取り込んだ音楽データやネット上のストリーミングデータ、ダウンロードデータを音響機器で再生する事です。
何がメリット?と言うと考え込んでしまいますが、デジタルデータを耳に聞こえるアナログデータに変える作業に一歩踏み込む事で、少しは良い音で音楽が聴けるかな・・・と言う物らしい?です。
CDプレーヤの代わりにパソコンを使うのです。
まずCDの音楽データをデジタルデータで取り込みます。ネットなどで配信される音楽データでも良いのです。
次にパソコンではデータを音楽として再生します。まだこの段階ではデジタルデータです。
この再生されたデジタルデータをUSBインターフェース経由で”USB-DAC”に送ります。
USB-DACは受け取ったデータを規則に則り(CDレベルの処理ならば16bit/44.1khzのサンプリングレート・・・気になる方はこれもネットで調べて下さい)アナログデータに変換します。
出て来た信号は小さなレベルなので、これをバッファアンプで増幅して標準的なライン出力レベルまで高めます。
この出力をアンプにつなげば音楽が再生出来るのです。
真空管のアンプのためにもう少しラインのレベルを上げたいのでプリアンプをかませているのです。
流れはそんな所です。
CDを取り込んで再生したり、上の写真のようにネットでのストリーミング配信の音楽ソフトを再生したり、などなどがPCオーディオなのです。
たまたま北杜市の図書館でナクソスミュージックライブラリーの法人会員になっていて、市民が利用出来るので、早速それを利用しました。
肝心の音の具合は如何でしょう。
まずはメインのシステムで聴いてみます。
USB-DACはバランス回路なのでアンプの入力はバランスで受ける事になります。
宝の持ち腐れだったバランス入力がやっと活きます。
まだエージング中で、システムもいい加減なセッティングだし、聞く耳はもっといい加減なので正確さは欠くかも知れませんが、第一印象は次の如くです。
全体に一皮むけたクリアな音が広がります。解像度が上がって音の粒々がくっきりと浮き上がります。
リファレンスのワルツフォーデビーを聴いてみます。
このCDを聴く時に気にするのがバックノイズ。食器の擦れる音やおしゃべりの声。
ざわざわと言う空気感が透明度を増した様な雰囲気です。
定位も良くなった気がします。モノラル録音の音がきっちりセンターから出て来ます。
低域の伸びもちょっと良くなった様な・・・
だいぶ贔屓目な感想かも知れません。手前味噌もいいところですが、音場感はそれなりに向上したのかなというのが第一印象でした。バランス回路の効果も無視できない気もします。
さて真空管アンプでの印象は・・・とアンプに火を入れると、なんだか様子がおかしいのです。
テスターで終段のDCバランスを探ってみると片チャンネルがフラついてます。真空管を叩いたりすると更にふらつきます。
この間「ボッ!」と言うような嫌な音がしていたので気になっていました。そんなに古くは無いのですが・・・
真空管での本格的なテストは諦めました。急遽代わりの真空管をアメリカの球屋さんに発注しました。
ところで暫く家にこもってオーディオいじりをしていると、何を察したのか近所の知人がスピーカーケーブルを携えてやって来ました。
不要なので捨てようと思ってた所、我が家を思い出し、要るかどうか聞きに来た、と言うのです。
見るとなんとオーディオクエストのケーブル。多分5桁で売られているハイグレードなケーブルです。
喜んで頂く事になりました。
短いケーブルなので球のアンプとDALIを結ぶ事にします。
これで真空管のシステムもちょっとグレードアップです。
これから暫くは家の中での生活が増えます。音楽が広がる空間の整備はまだ少し続きます。