室内に閉じこもった時にと用意しておいた鉄道模型の仕上げが出来ました。以前紹介したドイツのBEMOと言うメーカーのスイス・レーティッシュ鉄道(RhB)の1/87スケールの列車たちです。勢揃いした上と下が仕上げ前と仕上げ後です。同じ顔が並んでるだけで変わってない・・・様に見えますが、下の仕上げ後の列車の方が何となく実車に近い印象を受ける様に見えませんか。
仕上げ前の顔をよく見るとニキビの跡の様に小さな穴がポツポツと開いています。下の仕上げ後を見ると、その穴に何やら小さな部品がはめ込まれています。
これらは電車や機関車が編成の車輛をコントロールするために不可欠な装備品なのです。電気をつなぐジャンパー線、ブレーキをコントロールするエアホースなど、実際に走っている電車の前面を見るとその下の方に何本もホースのような物がついているのを確認する事が出来ます。車輛と車輛の連結部分に目をやると、そのホースや電線がつながっているのも見る事が出来ます。
鉄道好きの人の中にはジャンパー線マニア???も居ると聞きます。どちらかと言うと私も好きかも・・・。
BEMOは大変良く出来た鉄道模型です。車体はプラスチック製、プラモデルです。しかしディテールは繊細で、某☆★製のプラモデルより上を行く水準だと思います。しかし繊細なあまり壊れやすい危険性も含んでいます。特に突起物は危険です。そのため幾つかのパーツは別梱包されユーザーの手で仕上げるよう要求されます。
これが結構厄介な作業なのです。後付のパーツは物に寄っては微細なもので、鼻息簡単に何処かに飛んで行くし、下手に触ると折れたり壊れたり・・・なので多分ほとんどのユーザーがアバタのたくさん開いた車輛をそのまま走らせているのではないかと思っています。
今回仕上げたGe4/4Ⅲと言うRhB現行主力電気機関車を例に取って見てみます。後付部品はざっとこんな感じです。エアーホースやジャンパー線、ジャンパー栓、手すりやステップ、連結器のバッファーなどなど。まあプラモデルの組み立てとまるっきり同じです。
仕上げ前の機関車の前面です。小穴がたくさん開いています。そこへ先ほどのパーツを組み付けて行きます。
これが実車のフロント部です。いろいろぐちゃぐちゃとホースやらが付いています。この雰囲気を1/87でどこまで再現出来るかがポイントです。まあ天賞堂やフェッロー・スイスと言った高級ブラスモデルなら職人技でリアルに再現するのでしょうが、まあ貧乏人のオモチャですからこの程度で十分間に合わせる事になります。
微細なパーツの一例です。これはエアホースです。モールドされたプラパーツをそのまま付けても良いのですが、やはりここはプラモのフィニッシュと同じ様に、ちゃんとペイントしてあげます。その時に実車の写真が役たちます。数年前にスイスで撮って来た写真の出番です。付属の説明書の指示では黄色いホースがあったりしますが、どう見ても黒っぽいゴムのホースです、黄色のモールドを黒く塗りつぶしました、最近の新しいロットのBEMOはホースのディテールが更に繊細になりました。7mmほどのパーツ、ホースの直径は1mmにも満たない小さなパーツに、エアーコックのハンドルがチョチョッとモールドされています。ハンドルの長さは1mmちょっとでしょうか。金型技術の高さが窺い知れます。
そのコック部分を赤や白で塗り分けました。これでぐっとリアルさが出て来ました。
一通り部品を付け終わった車輛です。実車の雰囲気はだいぶ再現出来たと思います。実際はレイアウトの上を走らせてなんぼの鉄道模型です。これくらいのディテールアップでも走行時の雰囲気は大きく変わってくるはずです。
これは世界遺産に登録された山岳ラインのベルニナ線を走る電車型の機関車Abe4/4型です。この54号機は箱根と名付けられています。これも小さな部品を取り付けてドレスアップしました。
これがその実機の写真です。BEMOの再現性の高さがわかると思います。
違う番号の車体ですが同じ形式の電車の前面です。模型と見比べて来てください。まあ1/87の縮尺ですから許せる範囲で再現出来てるのではないかと思います。
そんな事をしていたら海外から小包が届きました。去年の暮れにスイスの模型屋さんに発注したものです。最近は一週間もあれば世界の各地から商品が届く時代です。半月以上も経過しているし、商品まだならキャンセルするよ、とメールも入れて置いたのですが・・・
詳細は仕上げの後に。欲しかったRhBの傑作編成、とだけ申し上げておきましょう。