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真冬のイタリア旅行記Ⅱ ローマ編(4)コロッセオへ

 パラティーノの丘を下ってフォロロマーノの東の外れからコロッセオに向かいました。真冬でも青々とした常緑樹の間から大きく口を開いたコロッセオが見えます。この角度から見るコロッセオは無機質な石の建物と緑が調和して、しっとり落ち着いた風景を構成していました。

 間近に見るコロッセオはさすがに大きく重厚です。垂直に伸びるアーチの重なりがローマの青い空を突き破らんかのようでした。見上げる首が痛くなります。
 コロッセオはローマで一番人気のあるスポットです。押し寄せて来る観光客も膨大な数に上り、この日もチケット売り場には長い列が出来ていました。
 他の施設でも同じですが、列には2つの目的があります。一つはセキュリティーチェック、もう一つがチケット購入。列が長引く原因はこの2つの関門を通らなければいけないからです。セキュリティーチェックは金属探知機やX線での携行品検査が主体です。出来るだけ余分な荷物を持たない方がスムースに関門を通過できます。
 チケットに関してはローマパスなどクーポンタイプのチケットがあればそれを最大限活用する事です。このコロッセオの長い行列を、ローマパスはあっという間に飛び越えることが出来ました。ローマパス専用の入り口があったからです。

 コロッセオには陰惨な歴史が秘められています。しかし観光客で埋め尽くされた現代の遺蹟からはその片鱗も伺えません。ただ巨大な構築物に感心するのみです。
 剣闘士が入れられたであろうスタジアム下の石の部屋、猛獣たちが閉じ込められた地下の掘り割り・・・残酷なローマ市民や皇帝・貴族達が鎮座したであろうひな壇の観客席。アリタリアの飛行機の中で見た「グラディエイター」の世界がそこにありました。

 ローマのシンボルコロッセオ、それは偉大なるローマのランドマークでした。初日市内に入って真っ先に目にした時の驚きと感動、最終日遠ざかる遺蹟に別れを惜しんだ時、ローマの象徴としてのコロッセオは永遠のモニュメントとして皆の心に焼き付いていました。

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