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イタリアの山を歩いてきました(3)

7月2日(土)コルティナ3日目。ジアウ峠からクローダダラーゴへ。

コルチナへ着いてから天気の状態はなかなか安定しません。
昨日は午前中はすっきりしていましたが、午後からは崩れ気味になります。
こちらの天気予報から今日が一番安定している・・・との読みで長くなりそうな行程のこのルートをもってきました。
それにはもう一つ理由があり、このルートはアクセスが悪く、帰路のバス便が良くないのです。
そこで事前に仕入れた情報から、クローダダラーゴ小屋からJeepタクシーを利用することで解決することが判りました。
観光案内所でそのタクシーの詳細な情報を得ようとしたところ、たまたま同じような目的で来ていたKさんご夫妻と会うことになったのです。
タクシーは最低4人乗らないと運賃が高くなるシステムらしく、2人で頼めるか気になっていたのです。
同乗者が現れて、意気投合、これで最低乗車人数の確保ができました。
予約をいつ入れるか悩んだのですが、この日の天気を信じて予約を入れたのでした。

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朝一番のバスなので早めに食事を済ませます。
これは私たちが泊まったホテルMontana。コルティナでモンタナとは???ですが・・・
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朝食のメニューは結構充実しています。
ハム、チーズ、卵、果物、ヨーグルト、パンも何種類もあって飲み物も豊富。
家だと15分もかからない朝食ですが、急いでいてもたっぷり小一時間かかります。(食べ過ぎ・・・)

さて朝一番のバスに乗るためバスターミナルに向かいます。
今日入る予定のクローダダラーゴ周辺へのアクセスはジアウ峠までのバス。
でもジアウ峠へのバス便が午前と午後1便しかないのです。
バスだけに頼るとなると、朝一番で出て夕方の便に乗るしかありません。
そこで効率よく時間を使うためにJeepタクシーの出番となるわけです。

Kさん夫妻とバス停で合流。ジアウ峠へ向かいました。
満員のトレチーメ・ミズリーナ行きバスに比べて驚くほど乗客は少なく、静かな山旅が期待できそうです。

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早朝のジアウ峠はひっそりしていました。
このドローミーティ周辺の峠道はイタリアの有名な自転車レース「ジロディタリア」の山岳コースに選ばれおり、この峠も然り、このようなモニュメントがありました。
この街道、峠は自転車好きに限らず、バイク、スポーツカーを走らせるのに絶好のロケーション。エクゾーストノートがあちこちで響き渡っていました。

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さあクローダダラーゴ目指して436番ルートを歩き出します。
この辺りも気持ちの良いアルムでお花畑と化した牧草地を縫うように徐々に高度を上げて行きます。

振り返ると昨日登ったヌヴォラウがニョキッと天を突いてます。
なだらかな峠付近の斜面からだんだん岩肌の荒々しい山道に変わります。
峠を一つ超えると、谷底から続くアルムが現れ、カウベルのこだまが耳に入ってきました。
結構な斜面まで牛が上がってきているようです。この先奥深いところまで放牧地が展開してるのでしょう。

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二つ目の峠を越えると様子が一変。
左手の天を衝く荒々しい石灰岩の岸壁とは対照的に、右手には草原が広がって明るい高原が展開していました。
残念なのは天候が怪しくなってきたこと。
すっきりと晴れていたらもっと印象は変わったかも知れません。
花が多い。大体の花は日本で見かけるのと同じような仲間の花。懐かしい思いで一つ一つ見て行きます。

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草原の中の大きな岩に囲まれた気持ちの良いポイントで昼食。
天気が気になり、早々に行動開始。
前方に大きな岩山が現れ、道は斜度を増し、峠へ向かい始めました。
風が強まり、ガスも湧いてきました。
風が頂点に達したところがForc Ambrizzora峠でした。
強風に耐え切れずここで防風着を着用。
このどさくさで大きなミスを犯すことになりました。
頭の中で行く手に見える岩峰を回り込んでから下降ルート、と思い込んでいたのです。
この峠から行き先のクローダダラーゴ湖が見えたはずなのですが、ガスではっきりしておらず、思い込みもありルートを間違えてしまったのです。
後で確認すると峠の標識に取るべきルートの434番がしっかり明記されていました。

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気づかずにさらに436番を進みます。
ガラ場に花がたくさん咲いていて、この時はまだ気がついてないので、嬉しそうに写真撮りまくりです。
この岩山の肩に着いた時に変だなと初めて気がついたのです。
回り込めば湖が見えるはずですが、湖も見えず、岩山を巻くべき道もありません。
道はどんどん下り始めます。変です。
下から登山者が登ってきました。
聞いてみました。
このルートは違う、今来た道のずっと後ろを指差して、あの峠から下るんだ。
と教えてもらいました。

とんでもない勘違いでした。
気をとりなおして登り直し、さっきの峠にたどり着いた時には、大粒の雨が降り出し、雷鳴がこだましていました。

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戻った峠から下を覗くと確かに湖が。
雷鳴におどおどしながら、せっせと歩を運びます。
アクセスが悪い割にこのルートは人気が高く、日本人や韓国の人がたくさん入ってます。
この日も数パーティー日本からのツアー客がいて、その一部の人たちを追い抜きながらほうほうの態でコローダダラーゴ小屋に駆け込みました。

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小屋は超満員。日本の人が多くてびっくりです。
その人たちは当然例のjeepで下ります。私たちはずっと後の予約。ツアーの人たちが先客で早い時間は抑えられていたようです。
しばらく雨宿り。ほどなくクローダダラーゴを一周してきたKさんたちが到着しました。

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この辺り晴れたらさぞ素晴らしいロケーションになるのでしょう。
人が多いのも頷けます。
マウンテンバイクもありですが、なんとホーストレッキングもありのようです。

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ここはアメリカのコロラドか?ってな風景も見られました。

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これがJeepタクシーです。Jeepではなくディフェンダーですが・・・
この車に9人が詰め込まれました。
私たち以外に日本からのツアーグループ5人が乗り込んだのです。
この人たちとはその後運命の出会いが・・・顛末はお楽しみに。

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ネットで読んだレポートによれば、どんなアトラクションよりスリリング・・・だとか。
でも私の期待に反して、おとなしく運んでいただいたようで、アトラクションといえばこのロバたち。
林道を先導するように歩いていて、なかなかどいてくれません。
それにしても野生?ってことはないので勝手にこんなところまで上がってきているのでしょうね。
やがてロバたちは森の中に消えて行きました。

予想に反してお天気に裏切られました。でも今回の行動中カッパを着たのはこの日だけでした。

コルチナのホテルまで送り届けていただき、この日の山行は終了しました。

さて明日は西のドロミーティへ移動です。実はこの移動にはいろいろトラブルが隠れていたのでした。

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