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真冬のイタリア旅行記(3)フィレンツェ編 ボーボリ庭園


 フィレンツェの美術館や立派な教会などは館内での撮影が禁じられているところが多いようです。ローマも同じでした。でも分別のない外人?の中には気にしないでシャッターを切る人がいます。まあ撮っても綺麗には写らないと思うのですが・・・
 と言う訳で今回のレポートにはあまり美術館などは登場しません。まあ、それらの話題は出尽くしてますので、楽しかったこと、興味のあることを中心に綴って行きます。

 ウフィッツイからヴェッキオ橋を渡ってきたバザーリの回廊の終点がピッティ宮です。メディチ家の膨大なコレクションの公開の場となっています。その宮殿の庭園がボーボリ庭園です。美術館の窓から見える広大な庭園は小高い丘の上まで続いています。山を見ると登りたくなる気持ちを抑えがたく、別チケットを買い求め、庭園へ入場することにしました。
 ずっと美術館や教会ばかり見てきたので、丁度良い気分転換になりそうです。


 大きな宮殿の建物を通り抜け、立派な階段を上がると広場に出ました。小さなオベリスクがあり、どっしり構えた宮殿の南面が一望できます。
 その少し上には噴水のある池があり、エメラルドグリーンの綺麗な水を貯えていました。高度が上がる度に宮殿の向こうの街並みが広がって行きます。プロムナードは更に傾斜を強めて丘の上へと誘導されて行きます。


 左右対称の端正なイタリア式の庭園はその後方中央に宮殿を配し、その遠景にオレンジ色の甍の海が広がり、その奥をトスカーナの山が取り巻くという、美しい一服の絵画となって眼下に広がります。気分は昔のお殿様・・・じゃなくて大公です。


 丘の頂上手前に立派な門があり、その階段を登り切ると広場に出ました。目の前にはトスカーナらしい田園風景が展開していました。青々とした草原に点々と渋いグリーンの木立、オリーブですね。その奥には杉の深い森が連なり、お城のような建物が散在します。
 賑やかなフィレンツェの市街地からほんの僅かなところに、こんなに大きな自然が存在しています。
 イタリアの魅力、スローライフの生まれた土壌がそこに存在しているようでした。


 展望を楽しんだあと、庭園の東側の小径を下ってみることにしました。ヴェルヴェデーレ要塞との境になるのでしょうか。フィレンツェの歴史地区を俯瞰しながら緑の多い爽快なプロムナードです。
 青い下草の中に白い斑点がたくさん見えて来ました。近づいてみるとそれは一面に咲き始めたアネモネでした。

 雪も降って気温がマイナスになるというこの時期でも、ちゃんと大振りな花を咲かせています。オリーブもそうですが、イタリアのこの地域の植生は不可思議です。これをみると小淵沢でもオリーブがいけるのでは、とチャレンジしたくなりました。


 
 下るにつれドゥオーモのクーポラや、ジョットの鐘楼、ヴェッキオ宮の尖塔が大きく迫ってきました。さあそろそろパノラマコースともお別れです。
 わけのわからない鍾乳洞の様な礼拝堂?にちょっと寄り道して、広々としたピッティ宮前の大広場に帰り着きました。

 ルネサンスの美術も建築も結構ですが、我が家はやっぱりアウトドアが性に合っているようです。毎日2万歩の強行軍、その疲れはこういうシチュエーションで充電されます。
 さあ明日も良い天気でありますように。

旅行日 2011年2月18日

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