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スライディングドアで悩んで・・・



 雪だるま的にどんどんふくらむ建築コスト。もうどう絞っても一滴の血も出ないほど圧迫された財政だ。でも当初の予定よりも2割も増えてしまった。
 最終的な打ち合わせの席上で、いろいろ申し訳なさそうにコストアップの要因を説明してくれる棟梁の発言の中、ひときわ汗をかきながら、例によって申し訳なさそうに「リビングの掃きだしのスライディングドアですが、今の予算では一クラス下の枠の細いのになりますが・・・」
 冒頭の写真は今回使うアメリカのMarvinという木製サッシのメーカーの、スライディングドアの外観写真だ。もちろん建物のデザインが違うので欄間みたいな上の小窓はない。ワイドは2400でそれなりに目一杯のサイズだ。高さは2030くらいある。リビングの一番良い場所で、南アルプスが望め、それなりのマウンテンビューが展開する予定だ。
 友人のHさん宅も、先日見せて頂いたYさん邸もこの立派な額縁のような幅の広い木の枠を持っている。当然頭の中の出来上がり予想パースにもこの太い枠が収まっている。
 枠の太いのはフレンチスライディングドアと言い、結構値が張る。コストを落とすために提案されたのがスライディングパティオドア。コストが半分というのは大げさにしても、かなり違ってくる。もうこれ以上は・・・という段階なので、「枠が細い方がパノラマも大きくなって良いじゃん。機能的には変わらないんでしょう」と、まあ仕方がないねと自分に言い聞かせて細いドアに決め見積の再積算をお願いした。
 翌日から、そのことが妙に気になりだしてきた。
 マービンのホームページを見てどう違うか調べてみた。


 左がフレンチで、右がパティオ。そちらも木製枠にLo-eダブルガラス。性能は大きく違わないにしても、ロックが頑丈だったり、安全性はフレンチが優れて見える。
 最も気になるのはその木枠の存在感。細いパティオは見方によってはアルミの華奢なフレームに似通った外観だ。絵も立派な額装で何倍も出来の良いものに変身する。毎日眺める景色だから尚更気になってくる。晴れて展望の良い日は両者さほど差が出ないにしても、天気の良くない日や夜はその重厚なフレームの存在が効いてくる。
 妻はカーテンで隠れちゃうんじゃないの、とか言うがカーテンで隠してまで不本意なものを使いたくない。
 数日悩んだ挙げ句、棟梁に電話を入れた。
 もちろんフレンチへのグレードアップ。彼も電話を予測していたらしく、「いやー、あのときすんなり変更を了承してくれたので、良いのかなーって思ってました」と電話の向こうで話す。
 ここで少しの踏ん張りで気に入った物を手に入れる。後悔は残したくなかった。

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