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SWISS紀行2007 その19 スイスならでは、ハイキングのはしご! その2

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2007年6月28日(木) 
第8日目 サンモリッツ–>ムオッタス・ムラーユ>ウンター・シャフベルク>ポントレジーナ>–>フルチェッラスラ麓駅>フルチェッラス>シルスマリア–>サンモリッツ–>

このスイス紀行を書き始めて早くも半年近くなってきた。前回から1ヶ月以上間があいてしまって、薄れ行く記憶がさらに加速しそうだ。何とか年内完結を目指して久々に綴る事にした。

 ベルニナ山群とロゼック谷のパノラマを欲しいままにするウンターシャフベルクの小屋のテラスでお茶を飲む。小屋のマダムの手造り?のケーキを注文した。この地方独特のナッツの入った焼き菓子だ。香辛料少々利いた素朴な味で、お土産用として街で結構見かけたケーキだ。昨日サンモリッツのドルフのパン屋さんでも見かけた。お土産として人気があり飛ぶように売れていた。我々も今日またそのパン屋に行って買おうか・・・と思っている。
 小屋を後にさらに水平歩道を南進してリフトの終点駅を目指す。展望はよく開け、ピッツベルニナからパリューにかけて銀色に輝いている。
  途中大きな沢を横切る。荒れる沢を最初から計算に入れてか、ここで山道はトンネルをくぐって沢を横切る仕掛けになっていた。
 これは素晴らしいアイデアだ。もともと崩落の危険のある沢筋にパイプのような鋼製のトンネルを埋め込んで置く・・・のかどうか知らないが、鋼板で守られたトンネルで快適に沢を通過する。雪崩の被害も皆無だ。
 視界が更に開け、高原状の斜面に出ると、遠くにリフトの終点駅が見えてくる。人も増えてきて賑やかになる。
 リフトも今回は例のパスで改札は素通りだ。結構長いリフト、しかも下りなので嵩張るザックを胸に背負って?、ペアのチェアリフトに乗り込む。はるか足元にポントレジーナの街並みがマッチ箱を並べたように見えている。まだ午前中で、これから昼ごはんを兼ねてハイキング的なカップルが次々と上って来てはすれ違う。高度がどんどん下がってきて、肌で感じる気温も少し高くなってきて、耳が押しつぶされるように気圧の変化も感じられ、もう一息でポントレジーナだ。
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 楽なリフト下りもあと少々と言うところで小さなイベントが・・・。
 まっすぐ一直線に続いていたロープと、それを支える支柱が目の前の1本を残してその先見えなくなった。終点にしては降りるためのプラットフォームが無い。エーっと思う間もなく、一気にリフトは90度向きを変えた。
「ヒヤーッ!」隣の妻が大悲鳴を上げた。遠心力でリフトは外に放り出されるように大きく揺れた。途中で進行方向が少し変わるくらいのリフトは日本でも経験しているが、90度は少し大げさとしても、尋常ではない角度で進行方向が変わるリフトに、ジェットコースター並みのスリルを提供されたのである。
 いやー結構愉快でした。それからほんの少しで本当の終点に着いた。
 ポントレジーナのドルフ?でバスを待とうとしたが、時間があるので駅まで降りて行く。駅でアイスを食べながら始発のバスを待つ。本日2本目のハイキングを実行すべく、シルスマリア方面行きのバスに乗り込んで、車内で昼食を済ます事にした。
 通いなれたバス?はオーバーエンガディンの広々とした谷間を、サメダン、チェレリーナ、サンモリッツ、シルバプラーナと上って行く。午後も天気は上々、紺碧の空が頭上に広がっている。
Sw2007_8_011 蒼々した湖水を満々と貯えるシルバプラーナ湖を過ぎ、ちょっとした平原が広がるところ、シルスマリアの集落の手前に第二の目的地の出発点がある。
フルチェッラスへのロープウエイの乗り場だ。遠くにシルバプラナ湖の湖面が見えているが、何にもない草原の外れだ。2つの湖を結ぶハイキングルートが近くを横切っていて、たまにハイカーが通る。
 フルチェッラスへ上るロープウエイは平日のせいかガラ空き。ツアー観光客は殆どいない。隣のコルヴァッチとは対照的だ。
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 フルチェッラスは好展望の穴場だった。コルヴァッチから降りてくるルートもあるようだが、ハイカーの数は多くない。休日の様子は分からないがのんびりと静かに展望を楽しめる場所のような気がした。
 少し見晴らしのよさそうな右手の丘に上る。オーバーエンガディンの谷を挟んで西方面の展望が開ける。ピッツネイルを中心にした山々の連なりは、またまた日本の懐かしい山群と重ねあわさって見えてくる。例えれば後立山連峰、剣周辺の山を連想される山容だ。
 のどかな放牧の牛たちが草を喰んでいる。足元に蒼く澄んだ二つの湖が見える。一休みしたあと、のんびりと谷底めがけて下り始めた。下るルートは2つあった。一つは右手北方面に歩を進めシルヴァプラーナへ。もう一つは南に向かってシルスマリアに降りるルートである。
 今回はシルスマリアへ下りてみる事にした。その響きの美しい小さな村に惹かれるものがあったからだ。アルペンローゼの咲き乱れる斜面が一面に広がっていた。

<続く>

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