© 2008 pico6. All rights reserved.

ベロクラフト訪問



 日曜の午後、吉祥寺の成蹊学園に近い、ある自転車店を訪ねた。アメリカはSF郊外バークレーで自転車店を営む友人のIさんが企画している自転車店だ。
 その名もベロクラフト。クラフトマンシップで自転車を語り、造り、企画し、そして売る。妥協を許さない職人魂プンプンの頑固親父の店・・・が彼の狙いなのかと思うが、実は垢抜けた、センスの良い自転車や用品が並んでいて、思わず通がうなる店になっている。もはや化石化した私の自転車センスでは、並んでいる商品の評価は下せない。せめて他のお店では見ることが出来ないと思われるこだわりの設備を中心に紹介する。
 

 店の面構えはシンプルで心地よい。Iさんが目下力を入れて仕上げているのが左半分エリア。ウィンドウにはスケルトンのフレームと、完成車がシンプルにあしらわれ、道行く人の関心を煽る。確かバークレーの店のウインドウもこんな雰囲気だったかな。


 店内に入るとまず目に入るカウンター。厚い檜?の一枚板と、9mm厚の鉄板で構成された作業台を兼ねるカウンターだ。木の曲がりをそのまま活かした緩いカーブを描く天板が、ユニークなフォルムの構成に一役買っている。脚や連結部には、手加工の板金溶接作業で作られたオリジナルパーツがあしらわれている。Iさんの仲間のTさん、Kさんの手になる。2人はもちろん有能なデザイナーでありクラフツマンである。
 今日の目的の一つは、W大先生のSWデモンタブルをこの店に搬送することだった。早速この作業台の横にSWが置かれ、さらなる整備を仰ぐ事になった。


 店の一番左の奥にはTさん特製の作業台が収まっている。天井に届くまでの高さに組まれた鋼鉄のフレームをベースに、厚い鉄板ベースの作業テーブルや、細かなパーツを整然と収納する小物棚など、使い勝手と機能性の高い作業環境を提供している。黙々と作業をする店長のOさんの手元も軽やかだ。
 Iさんの目指す店造りはやっとスタート地点にたったばかりらしい。彼の研ぎ澄まされた自転車の感性は、更にこの店を進化させるに違いない。彼らしいユニークな自転車店の完成が楽しみだ。

コメントを残す

Your email address will not be published.
Required fields are marked:*

*