カンダハーの大先輩

　数日前の大雪ですが、この時期にしては異常なほどの高温で、一気に溶けてしまいました。

　天気が回復したのは結構なのですが、この陽気ではスキーも満足に楽しめません。でも予定していたのでお菓子屋さんのスキー場に出かけてみる事にしました。

　思った通りゲレンデはグチュグチュでした。明け方の気温がマイナスにならず、日中も10度を越す様な勢いですから仕方がありません。今日は無理せずのんびり適当に滑るしかありません。

　のんびりと滑っていると、典型的な山スキーの方と出くわしました。スキーはわりと新しいタイプの山スキーですが、ビンディングをみて目が点になりました。
　それが冒頭の写真のスキーです。なんと化石的ビンディング「カンダハー」が付いています。

　コバを押さえる金具の革ベルトが締め具の歴史を物語ります。もちろん靴は革靴。当然ボトムスはツイードのニッカボッカです。

　２月に来た時に食堂でお見かけした方です。ここでびっくりする事実が判明しました。実はご近所さんだったのです。

　件の山スキーを履いていたのはMさん。御歳80になられると言う大先輩です。彼はこのスキー場のシーズン券をお持ちで、週に一二度は滑りに来ているそうです。ご近所さんでも顔を合わせてお話しするのは初めてでした。

　いろいろお話を伺ううちに更に衝撃的な事実が判明しました。ご趣味は、冬は山スキー、夏はフライフィッシング（・・・えー、本当ですか・・・）、車がお好きで「ポルシェ356C」をお持ちだとか。確かに我が家のまわりに時折356が出没します。フラットシックスの野太いエクゾーストノートが静寂を突き破って響き渡ります。
　近いうちにお宅にお邪魔してじっくりポルシェを鑑賞させて頂く事をお約束いたしました。Sさんスキーのついでに見に行きましょう。

　この地に越して来て丸３年。ユニークな方との出会いがこれからもたくさん起きそうです。